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当てはまったら要注意! 「歯周病」になりやすい人に共通する5つの特徴、歯科医師に聞いた

歯を失う原因にもなる「歯周病」ですが、なりやすい人となりやすい人がいるようです。両者の違いについて、歯科医師に聞いてみました。

歯周病になりやすいのはどんな人?
歯周病になりやすいのはどんな人?

 進行すると、大事な歯を失うことにもつながりかねない「歯周病」。さまざまな要因によって引き起こされることが知られていますが、歯周病になりやすい人がいる一方で、なりにくい人もいます。この両者にはどのような違いがあるのでしょうか。逗子メディスタイルクリニック(神奈川県逗子市)の歯科医師・徳永淳二さんに聞きました。

歯周病リスクは「遺伝」する

Q.まず、「歯周病」について教えてください。

徳永さん「歯周病の原因は『歯周病菌』です。基本的に、口の中に歯周病菌がいなければ歯周病にはなりませんし、全身に歯周病菌が回っていくこともありません。その歯周病菌に、口の中で感染したときにどうなるのか、気になりますよね。

感染後、すぐに『痛い』『腫れる』といった症状は出ず、静かに少しずつ進行していきます。『歯茎から血が出る』『歯が揺れていてかめない』などの症状が出てきた頃には、重度の歯周病になっていることが多く、歯周病菌は全身に回っていて、糖尿病や動脈硬化、認知症などのリスクとなっています。これが歯周病の怖さです」

Q.歯周病に「なりやすい人」にみられる特徴はありますか。

徳永さん「基本的なことですが、『歯をしっかりと磨いている』『定期的なクリーニングに通っている』人が、歯周病になりにくいというデータがあります。それでも年齢を重ねると、免疫力の低下などもあり、歯周病のリスクは上がります。また、ホルモンの関係で、男性より女性の方が、リスクが高いようです。その他、リスクになり得る特徴を持つ人は次の通りです。

・たばこ(加熱式たばこを含む)を吸う人…歯茎の血流が悪くなり、免疫力が下がる
・口呼吸をする人、唾液の少ない人…口の中が乾いて、免疫力が下がる
・糖尿病など生活習慣病の人…免疫力が下がる
・歯並びやかみ合わせが悪い人…過度に力がかかったり、不衛生になったりしやすい
・持病がある人…免疫抑制剤といった薬の副作用

これらの歯周病リスクは遺伝します。ただし、面白いことに、『歯を磨かなくても歯周病にならない人がいる』のも事実です。そんな人はラッキーかもしれません」

Q.歯周病に「なりやすい人」が、「なりにくい人」になることは可能ですか。

徳永さん「なりにくい人に近づくことは可能です。それにはまず、どうして自分が『なりやすい人』なのか、その理由を知ることが重要です。歯科医院で検査を受け、原因を知り、対策を立てましょう。最近では、感染している歯周病菌の種類をPCR法で特定できますし、唾液の成分分析から、自分の歯周病の特性を知ることもできます。

それぞれのリスクを知った後、改善できる原因は取り除き、改善できない原因があれば対処を考えていくことになります。一方で、改善することは、そんなに簡単ではないかもしれませんし、時間も勇気も、努力も必要なこともあります。また、体全体や心身の健康も大きく影響します。一緒に走ってくれる“パートナー歯科医師”がいるといいですね。いずれにしても、定期的なメンテナンス(クリーニングと検診)が、最も重要な手段になるでしょう。

全ての大人は老化し、心と体が変化していきます。皆さんが信頼できる歯医者さんと巡り合い、自分の変化に合わせながら、長くお付き合いされることを願っています」

(オトナンサー編集部)

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徳永淳二(とくなが・じゅんじ)

歯科医師

東京医科歯科大学卒業、同大学院修了。日本抗加齢医学会専門医などマルチな資格を持つ。画家である母の指導を受け、幼少期より絵画コンクール入賞歴多数。アートと健康医学の融合を目指して歯科医師となり、湘南・逗子にてクリニック開業。「湘南スマイルクリエイター」として活躍している。逗子メディスタイルクリニック(https://medi-style.jp/)。

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