眉毛がかゆい！　「かく」「抜く」で皮膚にどう影響？　皮膚科医に聞く

　汗をかいたときなどに、眉毛の辺りがかゆくなることがあります。ついかいてしまいがちですが、かくと余計に症状が悪化することがあります。

　なぜ眉毛がかゆくなるのでしょうか。眉毛の部分をかいたり、眉毛を抜いたりすると、皮膚にどのような影響を与えるのでしょうか。逗子メディスタイルクリニック（神奈川県逗子市）の徳永理恵さん（皮膚科、美容皮膚科）に聞きました。

汗の成分でかゆみが生じる

Q.眉毛の辺りがかゆくなることがありますが、なぜでしょうか。

徳永さん「眉毛は、汗が目に入るのを防ぐ役割があり、汗がたまる場所です。眉毛に汗がたまると、汗の塩分や乳酸などの『酸』が皮膚に刺激を与えるため、かゆくなることがあります」

Q.では、汗以外で眉毛の辺りがかゆい場合、どのような原因が考えられますか。

徳永さん「元々乾燥肌やアトピー性皮膚炎で皮膚のバリアーが薄い人は、かゆくなりやすいです。また、化粧品などによる接触皮膚炎（ただれ）といった症状も考えられます。このほか、甲状腺機能低下症やアトピー性皮膚炎で、眉毛の外側の毛が薄くなっていくこともあります」

Q.眉毛の辺りがかゆいときにかいたり、眉毛を抜いたりした場合、皮膚にどのような影響があるのでしょうか。

徳永さん「眉毛の部分をかいたり、眉毛を抜いたりした場合、その際に生じた傷から細菌感染を起こして、毛穴の奥の毛根を包んでいる部分に炎症が生じる『毛包炎』や、水ぶくれやかさぶたが広がっていく『とびひ』のような症状を引き起こすことがあります。

眉毛を抜く癖がある場合、慢性的な湿疹のような状態が続き、炎症後に皮膚の色が濃くなる『色素沈着』や、皮膚に傷跡のようなものが残る『瘢痕（はんこん）』が生じてしまうこともあります」

Q.もし眉毛の辺りのかゆみが続く場合、どのように対処したらよいのでしょうか。

徳永さん「かゆみが数日続く場合は、皮膚科を受診した方がよいでしょう。病院で処方される塗り薬を塗ると、治ることが多いです。かゆみを我慢して受診せず、かき続けた場合、慢性化して、症状が治りにくくなることもあります」

　眉毛をかいたり抜いたりすると、かゆみなどの症状が悪化してしまうということです。かゆみが気になる場合は、皮膚科を受診しましょう。

（オトナンサー編集部）