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見た目は“ツヤ肌”だけど危険! 「ビニール肌」になってしまう人の間違ったスキンケア5つ

ビニールを張ったようなツヤが特徴的な「ビニール肌」は、見た目に反して肌トラブルが起きやすい状態です。ビニール肌を招くNG習慣について、皮膚科医に聞きました。

きれいな肌に見えても危険?
きれいな肌に見えても危険?

 ビニールを張ったようなツヤが特徴的なことから「ビニール肌」と呼ばれる肌の状態。ツヤがあり、肌が光っているようにも見えるため、一見するときれいな肌と思われがちですが、実際は間違ったスキンケアを繰り返すことで起こってしまう、トラブルの起きやすい状態だといわれています。

 ビニール肌になってしまう人にみられやすい「NGスキンケア」とはどのようなものでしょうか。逗子メディスタイルクリニック(神奈川県逗子市)の皮膚科医・徳永理恵さんに聞きました。

「ぬれた状態で肌をこする」のは最もNG

Q.そもそも「ビニール肌」とは何ですか。

徳永さん「ビニール肌とは、角質が薄くなり、毛穴は目立たないけれど肌のきめもなくなり、光を反射してテカテカして見える状態です。医学的には、『ビニール肌』に対応する名称はありません。そのため、私も時々、患者さんに状態を説明するのに『ビニール肌ですよ』とそのまま伝えることがあります。

通常、ターンオーバーが正常で、角質の細胞がきれいに、レンガ塀のように積み上がっていれば、表面には規則正しい細かい溝が出来上がり、肌のきめが整います。当たった光は散乱して、一枚ベールをかぶったように透明感のある肌に見えます。

一方、ビニール肌は大事な肌のバリア機能を担う角質の層が薄くなっているので、水分の蒸発を防ぎづらく、乾燥肌になり、また敏感肌にもなりやすくなります。ビニール肌の皮膚は、ところどころで末梢血管が拡張して赤みを帯びていることも多く、Tゾーン、Uゾーンにニキビができることもあります。また、きめがない肌なので、メイクがとどまりづらく、化粧崩れしやすい肌ともいえます」

Q.なぜ、ビニール肌になってしまうのですか。その原因や、なりやすい人に共通する習慣を教えてください。

徳永さん「ビニール肌になってしまう原因として、次の5つが考えられます。これらの“NGスキンケア”に習慣化しているものがないか、チェックしてみてください」

【「ふやけ摩擦」を起こしている】

ぬれた状態で肌をこすることによる「ふやけ摩擦」は、一番の大敵です。少し湿った肌をこすると、あかが出やすくなります。一方、乾いた肌をこすってもほとんど出ません。不必要なあかを落とすだけなら問題ないのですが、ビニール肌の人は必要な角質までこすり落としていることが多いです。特に、ぬれた状態でこすることが多い人は要注意です。

【誤った方法で洗顔している】

「そもそも洗顔時間が長い」「顔を強くこすって洗っている」「クレンジング剤、洗顔料の洗浄力が強い」「顔を拭くときに、タオルで強くこすっている」などは、ビニール肌の原因となります。これらの洗顔方法に心当たりがある人は要注意です。

【誤った方法で保湿している】

「化粧水を長い時間かけてたたき込んでいる」「コットンを使っている」などは、先述の「ふやけ摩擦」を特に引き起こしやすいです。

【角質ケア、毛穴ケアのやり過ぎ】

スペシャルケアとして、角質ケアや毛穴ケアを自宅で行っている人も多いと思いますが、実は、これらは簡単ではないケアです。

ピーリングというと、「皮を剥く」感覚で角質を落としさえすればよい、と考える人が多いですが、クリニックで行うピーリングは、角質を傷つけ“過ぎず”に、あたかも傷ついた“ような”信号を、皮膚のターンオーバーに関わる「基底層」と呼ばれる部分に“適切に”与えることで、丈夫な皮膚を作らせる施術です。つまり、皮膚に回復の時間を与えないまま短い期間でピーリングを繰り返すと、ビニール肌へ近づいていってしまいます。

よって、「ピーリングをやり過ぎている」「はがすタイプのパックを使っている」「角質を落とすタイプのプレ化粧水を使っている」人もビニール肌のリスクが高いといえます。

【とにかく肌を触る】

お顔の肌に触れることが多い人もビニール肌になりがちです。角質層は、ラップ1枚ほどの厚さといわれています。そのため、触れば触っただけ傷んでしまうのです。

「美顔ローラーを長時間使う」「自己流のマッサージをする」「顔そりをする」「スキンケアアイテム、メイクアイテムが多い」人は要注意でしょう。

【閲覧注意】本当にビニールみたい…ツヤツヤの「ビニール肌」が生々しい

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徳永理恵(とくなが・りえ)

医師(逗子メディスタイルクリニック院長 皮膚科、美容皮膚科、形成外科)

国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。都内美容皮膚科勤務を経て、2010年に「逗子メディスタイルクリニック」(神奈川県逗子市)を歯科医の夫と開院。自分自身の美しさを引き出す「美肌プログラム」を提案するなど、自然・健康・美容の街“逗子・葉山”で、生活の一部としての美容医療を啓発する活動をしている。3人の男子の育児にも奮闘中。日本形成外科学会、日本美容皮膚科学会、日本サポーティブケア学会所属。逗子メディスタイルクリニック(https://medi-style.jp/)。

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