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「足の小指の爪」がよく剥がれる…なぜ? 2枚に分かれて生える原因は? 対処法を皮膚科医が解説

足の小指の爪が剥がれやすいのはなぜなのでしょうか。皮膚科医に聞きました。

足の小指の爪が剥がれやすいのはなぜ?
足の小指の爪が剥がれやすいのはなぜ?

 足の小指の爪が剥がれやすいと感じたことはないでしょうか。SNS上では、「定期的に足の小指の爪が剥がれる」「知らないうちに剥がれる」などの意見が上がっており、足の小指の爪に関する悩みを抱えている人がいるようです。

 足の小指の爪が剥がれやすいのはなぜなのでしょうか。剥がれた場合、どうすればよいのでしょうか。逗子メディスタイルクリニック(神奈川県逗子市)の皮膚科医・徳永理恵さんに聞きました。

小指の爪に圧力がかかっている可能性

Q.足の小指の爪が剥がれやすい人がいますが、なぜなのでしょうか。

徳永さん「足の小指の爪のみがよく剥がれる場合は、歩くときに小指に負担がかかっていることが原因だと考えられます。小指に負担がかかるのは、次の4つの原因が挙げられます。靴のサイズが合っていないのが原因であることが多いです」

(1)靴のサイズが小さ過ぎる
(2)靴の幅が狭過ぎる
(3)靴が緩い
(4)ヒールが高い

足の大きさ(足長)に比べて靴のサイズが小さいと、前からの圧迫がかかります。靴の幅が足の幅に比べて狭いと、横からの圧迫がかかり小指が内側を向き、爪も傷みます。

靴が大き過ぎて歩くたびに足が靴の中でずれてぶつかり合う場合も小指の爪が剥がれやすくなりますし、ヒールが高い靴を履くと、足が前滑りしてしまい、小指で体重を受け止めることになり、爪にも負担がかかります。

Q.足の小指の爪が剥がれた場合、どのように対処したらよいのでしょうか。ばんそうこうを貼っても問題ないのでしょうか。

徳永さん「爪が剥がれたときは傷が乾かないように、軟こうを塗ったばんそうこうを貼るのがお勧めです。市販の靴擦れ用のハイドロコロイドのシールなどもお勧めです。爪が剥がれかけているときは、それ以上剥がれないように、抑え込むようにテーピングをするとよいでしょう」

Q.足の小指の爪が剥がれやすい場合、放置しても問題ないのでしょうか。それとも、皮膚科を受診すべきなのでしょうか。

徳永さん「痛みがあったり、出血したりしていれば、速やかに皮膚科を受診しましょう。また、痛みはなく、浸出液が出ていなくても爪がボロボロしている場合や、層状に厚くなった爪が変色し、むけるように剥がれてくる場合は、慢性的な圧力がかかることが原因なのか、爪水虫などの感染症が原因なのかを判別する必要があるため、やはり皮膚科に一度相談するのをお勧めします」

Q.足の小指の爪が剥がれるのを防ぐには、どのように対処したらよいのでしょうか。

徳永さん「足の小指の爪が何度も剥がれる場合、原因は靴にあるかもしれません。シューフィッターのいる靴店などで足に合った靴を選んでもらい、靴の履き方を指導してもらうのがお勧めです。

靴の中で足が動いてしまう場合は靴ひもをしっかり締め、薄いシリコンシートなどのインソールを入れたり、滑り止めの付いた靴下を履いたりするなどして、歩行時に靴の中で足がずれないようにしましょう。体重のかかり方が1点に集中せず分散するように、オーダーメードのインソールなどを使うこともお勧めです。

『今すぐなんとかしたい』というときは、爪の部分をテーピングで保護するという対処法が有効な場合があります」

Q.小指の爪が2枚に分かれて伸びてくることがありますが、これは一般的なことなのでしょうか。それとも、爪に異常が生じている可能性があるのでしょうか。

徳永さん「『爪の下の骨が変形』『粘液腫という良性のできものが生じた』『慢性的な外力で爪母と呼ばれる、爪を作る部位の細胞の配列が乱れてしまった』ことが考えられます。当院のフットケアを受診する人の中にも、たまに見受けられます。そのままにしておくと、いずれ足の小指の爪が小さくなり、生えなくなってしまうことがあります。皮膚科の受診をお勧めします」

(オトナンサー編集部)

【画像で丸わかり!】心当たりがあるかも…足の小指の爪が剥がれる4つの原因を一挙公開!

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徳永理恵(とくなが・りえ)

医師(逗子メディスタイルクリニック院長 皮膚科、美容皮膚科、形成外科)

国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。都内美容皮膚科勤務を経て、2010年に「逗子メディスタイルクリニック」(神奈川県逗子市)を歯科医の夫と開院。自分自身の美しさを引き出す「美肌プログラム」を提案するなど、自然・健康・美容の街“逗子・葉山”で、生活の一部としての美容医療を啓発する活動をしている。3人の男子の育児にも奮闘中。日本形成外科学会、日本美容皮膚科学会、日本サポーティブケア学会所属。逗子メディスタイルクリニック(https://medi-style.jp/)。

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