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「卵子凍結」ではない「卵巣凍結」って何? そのメリットとデメリットを解説

「高額」「手術の負担大」「がん再発可能性」などのデメリットも

 一方で、卵巣凍結のデメリットについて内田さんは「全身麻酔や腹腔鏡手術を受けるために入院が必要で、麻酔や手術によるリスクが大。また、術後に体力が低下し、がんなどの原疾患に悪影響を及ぼす可能性もあります」と指摘します。また、費用は保険が適用されないため、数百万円単位になるそうです。

 内田さんによると、細胞は普通、小さく原始的であればあるほど凍結・融解後のダメージが少なくなりますが、卵巣を組織ごと凍結してしまうと、いくら保護液などで保護し、形状を加工したとしても、細胞へのダメージははるかに大きくなるといいます。

 さらに、白血病や悪性リンパ腫などの患者の場合、がん細胞が卵巣組織にも侵入しているため、がんが治って卵巣を体内に戻すとがん細胞(微小残存病巣)が増殖し、がんが再発する可能性もある、とのことです。

 内田さんはこうしたデメリットを踏まえ、「卵巣凍結は凍結組織のダメージに関する研究などが進まない限り、なかなか広がらないのでは」との見方を示しています。

(オトナンサー編集部)

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内田玄祥(うちだ・げんしょう)

医療法人幸のめばえ、静岡レディースクリニック、三島レディースクリニック理事長

国立病院東京災害医療センター・国立病院東京医療センターにて産婦人科等に勤務の後、旧厚生省入省。医政局、健康局、社会・援護局等で病院経営管理、救急医療政策、障害保健福祉、医療安全等の政策立案を担当した後、山梨県健康増進課長として地域の感染症対策、がん・生活習慣病対策や母子保健政策・不妊症対策の充実にも従事する。夫婦で不妊症治療を経験したことから、官僚としてではなく医師として現場で不妊医療に寄与していくことが重要と考え、厚生労働省近畿厚生局医事課長の後、国立循環器病センター等を経て現職。

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