更年期の不調、実は「重大な病」のサインだった? 医師が警鐘、女性ホルモン激減が招く「5つの病」
更年期に注意すべき「5つの疾患」と対策を、藤保クリニック院長で糖尿病専門医の飯島康弘さんに聞きました。

更年期のほてりやイライラに悩まされている人は多いはず。藤保クリニック(東京都新宿区)院長で内分泌代謝専門医の飯島康弘さんによると、実は、女性ホルモンの激減は目に見える不調だけでなく、血管や骨などにも深刻な変化をもたらすといいます。そこで、飯島さんに、更年期に注意すべき「5つの疾患」と対策を聞きました。
更年期は「リスクの転換点」
Q.ずばり「更年期に注意すべき病気」はどのような病気でしょうか。
飯島さん「女性の更年期とは、閉経を挟んだ50歳前後の5〜10年間に、女性ホルモンのエストロゲンの急激な低下により、さまざまな代謝変化が起こる時期です。ほてりや発汗などの自覚症状が注目されがちですが、実はそれだけでなく、特に注意していただきたい病気は、大きく分けて5つあります。
1つ目は『高血圧症』です。更年期以降、女性の血圧は急速に上がりやすくなります。2つ目は『脂質異常症』で、悪玉コレステロール(LDL)の値が閉経後に上昇しやすくなります。3つ目は『糖尿病(血糖値が下がりにくくなる状態を含む)』です。体重が増えやすくなるだけでなく、血糖値の調節そのものが変化します。
4つ目は『骨粗しょう症』で、更年期は骨密度の低下が加速する時期です。5つ目は、これらの疾患が重なった結果として起こる心筋梗塞や脳卒中といった『心血管疾患』です。更年期は心疾患といった重大な病のリスクも上昇するため、注意してください。
また、甲状腺疾患は更年期症状と似た症状を起こすことがあるため、『更年期かな』と思ったときは、医療機関を受診し、両者を区別するのも大切です」
Q.なぜ、更年期になるとこれらの病気に注意が必要なのでしょうか。
飯島さん「最大の理由は、女性ホルモンの急激な低下です。エストロゲンには血管をしなやかに保つ作用、悪玉コレステロールを低く抑える作用、骨の新陳代謝を支える作用、そしてインスリンの効きを助ける作用があります。閉経前後にこれらの『守り』が一斉に外れるため、血圧や脂質、血糖値、骨密度の状態が同時に悪化しやすくなるのです。
男性でも更年期に男性ホルモンのテストステロンの低下が認められますが、女性とは異なり比較的緩やかに進行するため、劇的な変化は起こりにくいとされています。この性差を意識した対応が大切です。
さらに、この時期は体脂肪が皮下脂肪型から内臓脂肪型へシフトしやすく、いわゆる『メタボ体型』に変わりやすいことも重要です。内臓脂肪の蓄積はインスリンの効きを悪くし、血圧や血糖値をさらに押し上げる悪循環を生みます。つまり更年期は、ホルモンの変化と体組成の変化が重なる『リスクの転換点』と言えます。
それまでの生活習慣では対応が追いつかなくなる人は一定数いるため、急な体の変化に生活習慣の見直しが間に合わず困る人が多い印象です」





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