夜の「ポテチ」やめられない…意志のせいではなく「心の疲れ」かも 糖尿病専門医が説く5つの改善策
夜にジャンクフードを食べるのがやめられない理由や改善策などについて、糖尿病専門医に聞きました。

仕事から帰宅する際、ついポテトチップスやフライドポテトなどのジャンクフードを買い、自宅で食べてしまうことはありませんか。「また食べてしまった、自分の意志が弱いからだ」と落ち込む人もいるかもしれません。藤保クリニック(東京都新宿区)院長で糖尿病専門医の飯島康弘さんによると、夜に高カロリーなものを食べたくなるのは意志の問題だけではないといいます。つい夜にジャンクフードを食べてしまう理由について、飯島さんに聞きました。
睡眠不足だと食欲を増進させるホルモンが増加
Q.夜にポテトチップスやフライドポテトなど、カロリーが高い物をつい食べてしまうことがあります。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
飯島さん「『夜中になるとおなかが空いてしょうがない』『ついお菓子に手が伸びてしまう』という背景には、ストレスや生活リズムの乱れなどさまざまな要因があります。夜のドカ食いは決して『我慢や根性が足りない』といった意志の弱さの問題ではなく、ストレス因子や自律神経の乱れ、ホルモンバランスなど複合的な理由が関与していると指摘されています。
特に働き盛りの30~40代は日中の過労や脳の疲労が重なりやすく、慢性的な睡眠不足にも陥りがちです。
このような状況では本来食欲を抑えるホルモンであるレプチンが減少し、逆に食欲を増進させるグレリンというホルモンが増加してしまうため、夜に強い空腹感を感じやすくなります。つまり、夜にジャンクフードを食べたくなるのは単なる意志不足ではなく、体内のホルモン変化やストレス反応が大きく影響しているのです。
また、精神的な要因も見逃せません。夜は一人で過ごす時間が増えるため、不安や孤独感が強まり、その寂しさやストレスを紛らわせようとしてつい飲食に走ってしまうことがあります。特に甘いものやスナック菓子など高脂肪、高カロリーの食品は、一時的に脳内の幸福物質であるセロトニンを増やして気分を落ち着かせる効果があるため、無意識に手が伸びてしまいがちです。
ただしその効果は短時間しか続かず、食べ過ぎた後に後悔や自己嫌悪を感じるという悪循環にもなりかねません。いわゆる“やめられない、止まらない”状態になるのは、塩分や脂肪分が脳の報酬系を刺激しプチ依存状態を生むからだと指摘されています。
つまり、『夜にジャンクフードを食べてしまう』のは意志が弱いせいだけではなく、ストレスホルモンや脳内物質の作用、習慣化による依存傾向など複合的な理由があるのです」
Q.では、もし夜にポテトチップスやフライドポテトなどを食べるのが癖になってしまっている場合、精神的な病気の可能性はあるのでしょうか。
飯島さん「『毎晩のようにジャンクフードをドカ食いしてしまう』『やめたくてもやめられない』という場合、何らかの心の不調や摂食障害が隠れている可能性も考えられます。実際、厚生労働省が注意を呼び掛けている摂食障害の一種に夜食症候群(Night Eating Syndrome)があり、慢性的に夜間の過食をする人はメタボリックシンドロームや糖尿病のリスクが高まると指摘されています。
夜食症候群の人は不眠症や抑うつ状態を併発していることも多く、『単なる夜のドカ食い』と侮ってはいけません。毎晩のように深夜のドカ食いを続けている場合、生活習慣だけでなくメンタル面の状態にも目を向けてみる必要があるでしょう。
また、過食そのものが精神疾患の症状の一つであるケースもあります。代表的なのは過食症で、自分ではコントロールできないほど大量に食べてしまう発作的な過食を繰り返す病気です。過食症などの摂食障害の患者は、ADHD(注意欠陥多動性障害)のような発達障害、不安障害、うつ病といった他の精神障害を併存することも少なくありません。
例えばADHDのある人は衝動的に食べ物に手が伸びてしまう傾向があり、特に大人のADHDでは仕事のストレス過多から『夜だけドカ食い』が起こりやすいとも報告されています。もし『夜間の過食が自分では抑えられず苦しい』という状態なら、決して恥ずかしがらず精神科や心療内科の医師に相談することをお勧めします。適切な治療やカウンセリングを受けることで、『食べてしまう自分』を責める悪循環から抜け出せる可能性があります」






























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