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「セルフレジ」と店員対応の「通常レジ」、同じ混み具合ならどちらを選ぶ? 2000人に聞いた結果は?

専門家の見解は?

 次に、経営コンサルタントの大庭真一郎さんに話を聞きました。

Q.アンケート結果を見ての感想をお聞かせください。

大庭さん「2003年にイオングループがセルフレジを試験導入してから20年がたとうとしていますが、いまだにセルフレジよりも通常レジのほうを優先する客が多い最大の理由は、『面倒くさそうに感じてしまう』ことにあるのだと考えます。

店ごとにやり方が異なる、クーポンや割引が反映されない、ポイントが使えないなどの不便性がそのことに拍車をかけ、客を『セルフレジを積極的に利用したい』という気持ちにさせていないことがうかがえます。

後で述べますが、店側にとってはセルフレジ導入のメリットが大きいため、今後セルフレジの導入を予定している店は、『客にとっての利便性は何なのか』を精査した上で、それに一つでも多く対応できるよう、努力することが求められると思います」

Q.客の側から見て、「セルフレジ」のメリット、デメリットは何でしょうか。

大庭さん「客側の主なメリットとして、『レジの待ち時間の短縮化』『非接触対応』『キャッシュレス決済に関する利便性の向上』が挙げられます。

セルフレジは店員と客のやりとりが不要なため、レジ作業の回転が速くなり、必然的に客がレジ精算のために待たされる時間が少なくなります。それによるストレスの軽減が最大のメリットだと言えるでしょう。

店員と客のやりとりが不要ということは、ヒトとの非接触を重要視する客に対してのメリットともなります。

また、セルフにすることで、多様なキャッシュレス決済に対応しやすくなります。そうなることで、キャッシュレス決済を好む客の利便性が向上します。

客側の主なデメリットとしては、『レジ精算の手間が増える』ことが挙げられます。セルフレジで精算する場合、客がすべての購入商品に関してバーコードを読み取る作業をしなければなりません。その作業に慣れていない場合、通常のレジに並ぶよりも時間がかかってしまう場合があります」

Q.客の側から見て、「通常のレジ」のメリット、デメリットは何でしょうか。

大庭さん「客側の主なメリットとして、『レジ作業に関する手間が省ける』『イレギュラー発生時の対応がスムーズにできる』『バーコード読み取り後の商品のカゴ詰めが上手にできる』が挙げられます。

通常のレジでは、購入商品のバーコード読み取り作業を店員がしてくれるため、客側の手間が省けます。年齢確認が必要な商品や割引対象商品などのバーコードの読み取り、バーコードの読み込みエラーが発生したときの対応が必要な場合、通常のレジであれば店員が的確に対応してくれるため、客は慌てる必要がありません。

さらに、バーコード読み取りを終えた購入商品を買い物カゴに戻す際も、通常のレジであれば店員がきれいに入れてくれます。

客側の主なデメリットとしては、セルフレジのメリットの裏返しで、『レジ精算の客数が多い時の待ち時間が長くなる』『店員との接触が生じる』『キャッシュレス決済に関する利便性が制約される』ことが挙げられます」

Q.では、店にとっての両者のメリット、デメリットは何でしょうか。

大庭さん「セルフレジを導入することによる店側の最大のメリットは、レジに配置する従業員を品出しや接客のために再配置することで、販売機会損失防止効果や、客の満足度向上による売り上げ向上が期待できることです。

それ以外にも、釣り銭の間違いがなくなることで売り上げ管理が楽になる、キャッシュレス決済に対応しやすくなる、衛生管理効果が向上するなどのメリットが存在します。

その半面、『導入時に多大なコストが発生する』『フルセルフレジの場合、レジ精算時の万引リスクが高まる』『操作が分からない客への対応が必要になる』などのデメリットも存在します。

通常のレジに対する店側のメリットとデメリットは、セルフレジの場合の裏返しです。主なメリットとして、『導入コストが不要』『レジ精算時の万引を防止できる』などが挙げられ、主なデメリットとして『品出しや接客を充実させたい場合、増員が必要となり、人件費コストが上昇する』『レジの現金と売り上げが合わなかった場合、釣り銭ミスの確認をしなければならなくなる』『多様なキャッシュレス決済への対応がしづらくなる』などが挙げられます」

Q.セルフレジと通常のレジは今後どうなるのでしょうか。セミセルフレジも含めて、展望をお願いします。

大庭さん「小売業や飲食業などの接客を伴う事業者にとって、今後の最大の課題は『人手不足への対応』です。日本は人口減少が続いており、加えて少子高齢化が進んでいます。それにともない、労働人口も減少の一途をたどっています。

そのため、『業務を効率化し、ヒトを効果的に配置する』ことへの対応が必要不可欠な状況となっています。さらに、世の中全体でキャッシュレス化が進展しているため、通常のレジからセルフレジへの移行が加速することが想定されます。

ただし、購入商品のバーコード読み取りは慣れている店員がやった方がレジの回転が速くなる、セミセルフレジの方がフルセルフレジと比べて導入費用が安いといった側面もあるため、私は、今後、セミセルフレジの普及が加速するのではないかと考えています。

キャッシュレス化がどのように進展していくのかとも関係しますが、将来的には、大手の小売業者や飲食事業者の売り場からは、通常レジはなくなるのではないでしょうか」

※この記事は、オトナンサーがYahoo!ニュースを通じて実施したアンケートの結果を活用しています。アンケートは8月23日、全国のYahoo! JAPANユーザーを対象に行い、2000人から有効回答を得ました。年代は30代16%、40代33%、50代29%が多く、男女比はほぼ6対4。職業は会社員43%が最多で、自営業・フリーランス13%、専業主婦(主夫)12%などでした。
※アンケートのパーセンテージは小数点第2位を四捨五入しており、合計が100%にならない場合があります。

(オトナンサー編集部)

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大庭真一郎(おおば・しんいちろう)

中小企業診断士、社会保険労務士

東京都出身。東京理科大学卒業後、企業勤務を経て、1995年4月に大庭経営労務相談所を設立。「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心に企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。以下のポリシーを持って、中堅・中小企業に対する支援を行っている。(1)相談企業の実情、特性に配慮した上で、相談企業のペースで改革を進めること(2)相談企業が主体的に実践できる環境をつくりながら、改革を進めること(3)従業員の理解や協力を得られるように改革を進めること(4)相談企業に対して、理論より行動重視という考えに基づき、レスポンスを早めること。大庭経営労務相談所(https://ooba-keieiroumu.jimdo.com/)。

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