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下腹の出っぱりが気になり検査したら「子宮筋腫」「多発性嚢胞腎」「卵巣がん」、医師に聞く

「下腹が出ている」と指摘され検査したら、子宮に腫瘍があった――。このような趣旨の投稿に対し「子宮筋腫がえらいことに」「多発性嚢胞腎で腎臓を摘出」といった体験談が寄せられています。

最近下腹が出ていると思ったら…

 友達が彼氏に「最近下腹出てない?」と指摘され検査したところ、子宮に腫瘍があった――。このような趣旨の投稿が先日、SNS上などで話題となり、経験者とおぼしき人たちから「体重増えないのに下腹出てきたら気にした方がいい」「母がここ数年ですごい下腹出てきて、検査したら子宮筋腫がえらいことに」「下腹部がポッコリし出して腹部エコー検査したら、多発性嚢胞腎で腎臓を摘出した」「友人はおなかが異常に膨れてきたので検査に行ったら、卵巣がんだった」などのコメントが寄せられました。

 下腹が出ることは実際に、これらの病気のサインなのでしょうか。オトナンサー編集部では、医師の市原由美江さんに聞きました。

腹部大動脈瘤や腎腫瘍なども

Q.「下腹が出る」ことがサインの病気として子宮筋腫、多発性嚢胞腎、卵巣がんはすべて当てはまりますか。

市原さん「これらの腫瘍の大きさや嚢胞の程度にもよりますが、すべて当てはまります。ほかにも、腹部大動脈瘤(りゅう)、腎腫瘍、卵巣嚢胞などでも下腹部が出ることがあります」

Q.子宮筋腫とはどのような病気でしょうか。

市原さん「子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍です。原因はわかっていませんが30~40代の女性に多く、女性ホルモンの影響で筋腫が発育して大きくなります。筋腫の大きさや場所によって症状はさまざまで、過多月経や下腹部痛、腰痛、頻尿、便秘などがあります。筋腫のできる場所は『筋層内』『漿膜(しょうまく)下』『粘膜下』に分かれます。このうち、漿膜下筋腫は子宮の表面にできるもので、これが大きく成長すると下腹部が出ることがあります。良性の腫瘍のため命に関わることはありませんが、これらの症状のほか、不妊の原因になる可能性があります。治療法は筋腫の場所や大きさによって変わります。また、女性ホルモンの影響で閉経後に筋腫が小さくなることが多いため、年齢によっても変わります。筋腫が小さく症状が軽度であれば経過観察になることもあり、ホルモン治療や手術が選択されることもあります。主治医とよく相談してください」

Q.次に多発性嚢胞腎とはどのような病気でしょうか。

市原さん「多発性嚢胞腎とは、両側の腎臓に嚢胞が多数発生し、腎不全に進行する遺伝性の疾患です。頻度は約4000人に1人であり、多くは40歳頃から発症します。嚢胞が増大、増加し腎臓が腫大するため、腹部の膨隆を自覚することがあります。症状は血尿や腰背部痛、むくみなどです。根本的な治療法はなく、腎機能の低下速度を遅らせるための血圧管理や腎不全に対する保存的治療が行われます」

Q.これらの病気を早期発見するために普段、下腹についてどんな注意を払うべきですか。また、ほかに早期発見につながる兆候などはあるのでしょうか。

市原さん「体重が増えていない、またはおなか周りの脂肪が増えていないにもかかわらず下腹部が出てきた場合、内臓の病気のサインである可能性があります。しかし、これらは病気がある程度進んだ状況であることが多いので、普段から健康診断や人間ドックを受け、早期に病気を発見することが大切です」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック勤務。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。