脳梗塞の夫にこき使われ続けた53歳女性、介護離婚で2000万円を“総取り”できた理由(上)
夫は多発性脳梗塞後遺症で要介護度3
<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名、年齢は現在)>
夫:平野実(55歳)→会社員(年収600万円)
妻:平野悦子(53歳)→パートタイマー(年収100万円) ※今回の相談者
「寝たきりになる前に別れたいんです!」
悦子さんはそんなふうに切実な悩みを打ち明けてくれたのですが、夫が仕事中に倒れたのは相談に来る3カ月前のこと。何とか一命は取りとめたものの、多発性脳梗塞後遺症と診断され、両手・両足に麻痺が残ったため、移動には車いすを使わなければならず、また食事や身の回りのことはすべて介助が必要なので要介護度3と認定されたのです。夫は、以前から暴飲暴食や大量飲酒を繰り返し、高血圧で肥満体質だったため、夫の母や悦子さんが再三注意したのですが、夫は聞く耳を持たなかったそうです。
だから悦子さんは、夫が「なるべくしてなった」と思っているといいます。悦子さんはあまりにも突然のことだったのでケアマネージャーに相談したのですが、不幸中の幸いか認知症の症状は現れておらず、また夫自身は退院後、自宅へ戻ることを望んでいたので在宅介護を勧められたそうです。
悦子さんも決して五体満足ではなく、3年前に大病(狭心症、心肥大症、不整脈)を患った影響で体力が著しく低下しており、また服薬しても高血圧が続くような危険な状態でしたが、デイサービスとホームヘルプを利用すれば体力的には何とかなりそう。そして、毎月かかる約8万円の費用がネックでしたが、夫の障害年金(月3万円)に加え、悦子さんのパート収入(月10万円)で金銭的にはまかなえそうです。
一応は退院の直前、夫の両親が「元の会社に戻れるまで、うちで(夫を)預かってもいい」と気を使ってくれたのですが、最終的には悦子さんが夫の介護を引き受けることに決めたのです。
「あの人、脳梗塞に甘えすぎるんです!」
夫は倒れるまでの33年間、大学新卒で就職した会社で働き続けてきたのですが、いかんせん、脳梗塞によって深刻な後遺症が残っている状態で、今まで通り仕事を続けることは身体的に無理があるので、不本意ながら退職せざるを得なかったのです。しかし夫は職場復帰を諦めておらず、同じ会社で再雇用してもらうことを目指しており、最初は「リハビリを頑張る!」と豪語していたのです。
脳梗塞の患者がリハビリを行うトレーニングジムがあるそうで、悦子さんはケアマネの勧めで夫をジムへ通わせるようにしたそうです。悦子さんはパートの仕事をしている間、夫を預かってくれるので助かっていたのですが、2週間もたたないうちに夫は悦子さんの目を盗んでジムを休み、パチンコに興じるようになり、早々に悦子さんの耳に入ったのです。
「本当にやる気あるの! 面倒臭いことをやるのがリハビリなの!!」
悦子さんも、夫のことを信用していたからこそ一刻も早く会社に戻れるようにリハビリ用のジムを探してきたので完全に裏切られた形で、こんなふうに夫を叱りつけたのですが……。
「だいたい会社にコキ使われたから会社にも責任がある。あれはブラック企業だ! 労災申請してやる!!」
残念ながら、夫は自分の非を認めず「リハビリをしなければならなくなったのは会社のせいだ」と会社を逆恨みすることで話をすり替えようとしたのですが、夫の八つ当たりはそれだけではありませんでした。


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