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脳梗塞の夫にこき使われ続けた53歳女性、介護離婚で2000万円を“総取り”できた理由(上)

もしも夫や妻が病気になり、自分が介護する立場になったら……。そして、感謝ではなく罵声を浴びせられ、わずかな年金も介護費用に吸い取られたら……。夫が脳梗塞になった女性のエピソードです。

女性は財産を手にして離婚に“成功”したという(写真はイメージ)

 昼はポカポカの小春日和なのに、夜はブルブルの極寒地獄……そんなふうに、寒暖の差が大きすぎる日々が続いているので体調を崩すのも無理はありませんが、特に危険なのは入浴の前後。いきなり気温が上がったり下がったりするので脳梗塞や脳卒中、そして心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」が起こりやすく、冬の「入浴中の死亡件数」は夏に比べて4倍に達するほどです。

 東京都内に限っても7月の48件、8月の43件、9月の46件に対して12月は207件、1月は217件、2月は179件と急増しているので(東京都福祉保健局調べ。平成28年)、決して他人事ではなく明日は我が身ですが大変なのは配偶者の方です。

 例えば、夫が倒れて病院に運ばれ、救急車に同乗している最中、妻は夫の生死に関わる一大事を目の当りにして顔面蒼白。何も考えられず茫然自失の状態でしょうが、入院から数日が経過し、少し冷静さを取り戻したらどうでしょうか。こんなことが頭をよぎるかもしれません。「いっそのこと死んでくれた方がいいのに」と。

 なぜなら、夫が脳の後遺症によって身体に麻痺が残ったりしたら、夫の介護をすべきは第一に「妻」なのだから。夫が中途半端に生き残ったせいで残りの人生を「夫の介護」にささげるくらいなら、いっそのこと「助からない方がいいわ!」と願ってしまう気持ちも分からないでもありませんが……。

 実際のところ、夫が50~60歳で病に倒れたら、20~30年もの長きにわたり夫の手となり足となりこき使われ続けるのですが、夫のシモの世話なんてゴメンだし、感謝されるどころか「やって当たり前」と罵声を浴びせられた揚げ句、微々たる年金を介護費用に吸い取られるのが嫌ならどうしたらよいでしょうか。夫の「召し使い」から解放されるには「離婚」するしかありませんが、病気のせいで心身ともに弱っている夫相手ならばイチコロ。最初から「勝ち戦」同然なので安心してください。

 なぜなら、夫は身体が不自由なので財産を隠すべく銀行に行くことは厳しいし、頭が回らないので損得勘定をするのもままならず、また人一倍プライドが高いので看護師やヘルパー、そして妻の介助なしに何もできない自分が腹立たしくイライラしているので、売り言葉に買い言葉という感じで、夫の方から「離婚してやる」と言わせるのは決して難しくないからです。

 ただ単に離婚するだけでなく、圧倒的に有利な条件を夫にのませることも可能で、例えば、800万円の退職金、1200万円の保険金を総取りにした上で夫の厚生年金の半分(毎月3万円)をもらうことに成功したのが今回紹介する平野悦子さん(53歳)。悦子さんが私のところへ相談しに来たのは昨年の今頃ですが、どうやって、財産の大半を手に入れた上で「介護離婚」することができたのでしょうか。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。