「算数嫌い」な子どもにしないために 日常生活で取り入れたい「算数の力を育てる体験」とは?
文章題が苦手なのは「実体験」がないから
「左のお皿にリンゴが2つ、右のお皿にリンゴが3つあります。合わせていくつでしょう」といった問題文を全く読まずに、「“合わせて”の文字がある。だから足し算だ!」などとキーワードを探し、足し算か引き算かを当てはめる小学1年の子がいました。ある意味、頭がよくて要領がよいお子さんですね。でも、キーワードだけを拾って計算していると、必ず限界が来ます。
例えば、次のような問題だとどうでしょうか。
「2人の子どもに、あめを3個ずつ配りました。あめは最初、何個あったでしょう」
「僕は100円を持って買い物に行きました。お釣りは20円でした。僕はいくらのものを買ったでしょう」
このような問題だと、「“合計”“全部で”“合わせて”のヒントワードがない。一体どうしたらいいんだ!」と頭を抱えてしまいます。計算問題は得意だけれど、文章題は苦手になってしまう子どもの典型的なパターンです。
なぜ、分からなくなるかというと、その場面が頭の中でイメージできないからです。つまり、「あめを分ける」などの実体験がないので、分からなくなってしまうのでしょう。きょうだい間などでおやつを分けるとき、大人がやってしまうのではなく、子どもに「お皿にクッキーを3枚ずつ置いてね」とお願いするなど、日頃から数に触れるためのお手伝いをさせましょう。こうすることで数の操作や、どんな式で計算したらよいか分かる素地が育ちます。これを「先行体験」というそうです。
「子どもにお金を触らせないのはNG」である理由
小学1年生の算数では、「150は10の固まりがいくつ集まった数ですか?」といった問題があります。これに、正しく答えられない子がいます。
しかし、駅の券売機できっぷを買うとき、自動販売機でジュースを買うときなど、普段からお金に触れる生活をしている子どもは違います。ちゃんと、「150円は10円玉が15個」と理解しているのです。「150」という数に対して、「100円玉と10円玉が5枚」「200円を支払い、50円のお釣りを受け取る」という実体験をしていると、より大きな数量も分かるようになっていきます。「指やおはじきを使わせる」「実体験を積ませる」「買い物をさせる」…こうした積み重ねで、算数の力がぐんぐん育っていきますよ。
小学校入学後、好き嫌いがはっきり分かれる「算数」。嫌いになってしまうとますます勉強しなくなるという悪循環が起きやすく、結果として成績差もはっきり出ます。算数は、プリント学習だけではなかなか身に付かないもの。コロナ禍やキャッシュレス化の影響もあり、実物のお金を触る機会は徐々に減りつつありますが、子どもたちが日常生活の中で自然と数に触れるための工夫を見つけてみてくださいね。
(子育て本著者・講演家 立石美津子)





コメント