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「最後に何か質問は?」 企業が採用面接で“逆質問”の場を与える「4つの狙い」

面接官の印象が「プラス」や「マイナス」になる具体例は?

Q.面接官に好印象を与えられる可能性が高い「逆質問」はどのようなものですか。

小野さん「ポイントは、『具体的であって、面接官が自由に答えられるもの』です。先述の通り、逆質問には『目的』があり、その目的を果たせるような質問をすることが求められているからです。

例えば、『御社の◯◯事業に興味があって調べましたが、分からない点があるので質問をしたいです』『◯◯について不明確なのですが、どう解釈するとよろしいでしょうか』と確認を投げてみるなど、『一緒に働きたいと思うがゆえに聞いてみたいこと』として投げ掛けてみましょう」

Q.逆に、マイナスとなる「逆質問」はありますか。

小野さん「3パターンあります。1つ目は、『パンフレットに出ていることをそのまま質問するケース』です。調べれば分かることをあえて聞くと、企業の志望度が低いとみなされる場合が多いです。

2つ目は、『同じことを繰り返し聞くケース』です。何度も同じことを聞くのは、相手の話を聞いていないと自ら言っているようなもの。『先ほどお答えくださったことかもしれませんが』と前置きするなど、工夫するのがよいでしょう。

3つ目は、『面接官が答えられないことを聞くケース』です。中には、面接官を外部委託している企業もあります。そうした場合は、会社の内部のことを詳しく聞いても、答えることができないでしょう。これら3点に注意して質問を考えてみてください」

Q.中には、「給与や休日休暇、福利厚生に関する逆質問は印象が悪い」と考える人もいるようですが、実際のところは。

小野さん「悪い作用をもたらすケースの方が多いと考えられます。給与などは条件として既に公表されている場合が多く、改めて確認すべきことではないからです。担当者が外部委託の場合も、この質問には答えることができません。

一方で、例えば条件面の確認が、介護や育児などの生活とひもづいているのであれば、『そのような状況下でも、うちで働きたいと思ってくれているんだ』と映り、面接官側も親身になりやすく、結果的によい作用をもたらすケースもあるのではないでしょうか」

Q.「質問はありません」と答えるのは、どうでしょうか。

小野さん「ポイントは、『質問したいと思わないのならば、しない』ことです。質問がないのなら、素直に『質問はありません』と答えても問題ありません。『質問することはないが、無理やり質問をする人』は、見ているとそう分かるからです。

質問を用意していない場合や、面接中に質問したいことがなかった場合は、もちろん、そのまま『質問はありません』と返すのが素直です。ただ、もし質問を準備していたとしても、面接の中で理解し、質問の必要がなくなった場合は、質問があったことを伝えてもよいでしょう。『◯◯のことを伺おうと事前に思っていたのですが、面接の中でクリアになりました。よって質問はありません』のような内容とともに、感謝の言葉を述べるなど、人と人との関わりを意識して伝え方を工夫してみましょう」

Q.採用面接を受ける際、「最後に質問」を上手に生かすためにやっておくべき事前準備や、意識の持ち方とは。

小野さん「最も必要な事前準備は、企業と業界について詳しく調べておくことです。質問とは、『調べても分からないことを相手に尋ねる』こと。これから自分が働こうとしている企業について知りたい、と思う気持ちを持って研究してみてください。余裕があれば、逆質問を受けた際に何を伝えたいかも考えてみましょう。

熱意を伝えるのか、コミュニケーション力を伝えるのか、人柄を伝えるのか。人それぞれ、伝えたいメッセージは異なるでしょう。相手に伝えたいメッセージを考えておくことで人柄が質問に乗り、相手に伝わりやすくなります」

(オトナンサー編集部)

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小野勝弘(おの・かつひろ)

キャリアコンサルタント、一般社団法人セルフキャリアデザイン協会代表理事、株式会社ファサディエ EAP事業部 新規事業準備室

1969年東京都生まれ。桐蔭学園工業高等専門学校電気工学科卒業。2001〜2016年までIT系企業に所属。エリアマーケティングツールに携わり、営業・商品企画・事業企画・人材教育・労務管理などを経験。企業のホワイト化・健康経営・人事労務は、今後の会社経営に欠かせない重要な領域と考え、「労働者と企業のための人材定着、若者雇用促進による企業の生産性向上」をテーマとする。2016年〜現在は株式会社ファサディエ EAP事業部所属。2018年に一般社団法人セルフキャリアデザイン協会(https://self-cd.or.jp/)を設立し、キャリアコンサルタント、EAPコンサルタントとして活動中。

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