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低年齢でも高血圧の可能性 子どもの「塩分摂取量」適量はどれくらい?

調理済みの料理が食卓にのぼるようになり、塩分摂取量を気にする機会が増えました。親が子どもに塩分を取らせすぎないようにするには、どうすればよいのでしょうか。

子どもの塩分摂取、適量は?
子どもの塩分摂取、適量は?

 共働きの家庭が増え、調理済みの総菜など「中食」の料理を購入する機会も多いと思います。それらが濃い味だと、塩分摂取量が気になる人も多いようですが、それは子どもについても同じです。しかし、成長期の子どもは年齢により体格などが大きく変わるため、どの年齢でどれくらいの塩分摂取量が適切なのかが分かりにくいようにも思われます。親が子どもに塩分を取らせすぎないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

薄味に慣れておく必要あり

Q.大人に対しては、生活習慣病の予防のために減塩が啓発されていますが、子どもも、幼児の頃から減塩を意識した方がよいのでしょうか。

市原さん「減塩を意識した方がよいです。子どもの頃から、塩分の濃い食事に慣れていると、大人になってからも塩分量の多い食事をしてしまうからです。

塩分量が多いと、高血圧の原因になるばかりでなく、味が濃い料理は食事の摂取量自体も増えるので、糖分や脂質過多にもなりやすく、将来的な生活習慣病のリスクが高くなります。

そのため、子どもの頃から薄味に慣れておく必要があります」

Q.子どもの1日の塩分摂取量の基準は、大人とは別に決められているのでしょうか。

市原さん「厚生労働省がまとめている食事摂取基準で、年齢ごとに1日の食塩摂取量の目安や目標が定められています。

具体的には、生後5カ月までの目安量は0.3グラム、6~11カ月は1.5グラム、1歳以上の目標量は男女で若干違いますが、男性の場合、1~2歳で3.0グラム、3~5歳で4.0グラム、6~7歳で5.0グラム、8~9歳で5.5グラム、10~11歳で6.5グラム、12歳以上が8.0グラムとなっています。

ちなみに、精製塩の小さじ1杯は6グラムです」

Q.子どもで、1日の基準で定められた塩分摂取量を超えることが続くと、どのような異変が現れますか。

市原さん「子どもはすぐに高血圧になることは少ないのですが、全く悪影響がないわけではありません。塩分摂取量が多くなることで、高血圧になる子どもも存在します。若いときに高血圧になると、将来的に動脈硬化をより起こしやすくなるため注意が必要です」

Q.子どもの味覚や食習慣を決めるのは、親の影響が大きいといわれます。親の食塩摂取量が多いと、子どもも摂取量が増える傾向があるのでしょうか。

市原さん「親の食塩摂取量が多いと、子どもも摂取量が増える傾向はあります。子どもの味覚を形成することや、食習慣を身に付けさせることは親の責任です。家庭で外食や中食が多いと、子どもが摂取する塩分量も多くなってしまいます。家庭で料理の味付けをするときに濃い場合も同様です」

Q.外食先では、注文した料理の塩分摂取量を調整できません。過剰に塩分を子どもに取らせないために、外食先でできることは何ですか。

市原さん「例えば、ラーメンの汁は残す、料理にしょうゆやソースはかけ過ぎないなどの工夫が必要です。また、たとえ料理が薄味だったとしても、食べる量が多ければ結果的に摂取する塩分量も多くなります。薄味かつ適度な量を心掛けましょう」

Q.幼児が好きなお子さまランチも、業務用の冷凍食品を使ったものがあります。注意した方がよいのでしょうか。

市原さん「お子さまランチは、ハンバーグや唐揚げ、フライドポテトなど味の濃いメニューが多いので塩分も多くなります。しかし、お子さまランチは子どもが楽しんで食事をすることが大切なので、頻繁でなければ食べてもいいのではないかと思います。

塩分が気になるようなら、ケチャップやソースを最小限にとどめる、フライドポテトに付いている塩を拭いて除く、唐揚げなどの揚げ物の衣を残す、などの工夫をしてみましょう」

Q.共働きの家庭も増え、調理済みの料理が食卓にのぼることも増えました。こうしたとき、親が子どもに塩分過剰にさせないためにできることは何でしょうか。

市原さん「基本的ではありますが、味の濃い総菜は避ける、残せる汁は残す、量を食べさせ過ぎないことなどでしょう」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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