季節の変わり目はご用心？　「寒暖差アレルギー」とは　風邪やコロナと何が違う？

　季節の変わり目など、気温差の大きな時季に発症しやすい「寒暖差アレルギー」という症状があるそうです。鼻の不調などさまざまな症状が現れるようですが、風邪や花粉症とどう違うのでしょうか。あるいは、新型コロナウイルス感染症の初期症状と間違うことはないのでしょうか。寒暖差アレルギーの症状や見分け方について、内科医の市原由美江さんに聞きました。

くしゃみや鼻水、鼻詰まり

Q.寒暖差アレルギーとは何でしょうか。

市原さん「寒暖差アレルギーは医学的には『血管運動性鼻炎』と呼ばれます。アレルギー性鼻炎とは異なり、非アレルギー性鼻炎に分類され、検査してもアレルギーの原因物質に対する抗体が検出されません。

症状としては、くしゃみや鼻汁、鼻閉（鼻詰まり）など、アレルギー性鼻炎に似た鼻症状がみられます。急な温度差により、自律神経の働きが乱れることによって、鼻粘膜の血管が過敏に反応し、鼻症状が起こると考えられています」

Q.寒暖差アレルギーを発症しやすい人の特徴はありますか。

市原さん「性別では女性、年齢では30～40代に発症しやすいという研究結果があります。精神的、あるいは身体的なストレスでも自律神経は乱れるため、ストレスの多い生活をしている人も発症しやすくなります。また、元々、アレルギー性鼻炎がある人も発症しやすいです」

Q.症状が似ている風邪や花粉症との違いや見分け方はありますか。

市原さん「風邪は鼻汁や鼻閉などの鼻症状だけのこともありますが、発熱やのどの痛み、せきや痰（たん）が出るなど他の症状を伴うことが多く、1～2週間程度で治るのが一般的です。花粉症はアレルギー性鼻炎なので、アレルギーの原因物質に対する抗体が検出されます。また、しばしば目のかゆみを伴いますが、寒暖差アレルギーは鼻症状だけです」

Q.新型コロナウイルス感染症との見分け方は。

市原さん「新型コロナでも、鼻水やくしゃみなどの風邪症状のみがみられることがあるので、症状だけで見分けることは困難です。かかりつけ医や各自治体の相談窓口に電話で相談した上で、早めに新型コロナの検査を受けることが大切です」

Q.寒暖差アレルギーの治療法や診療科について教えてください。

市原さん「診療科は耳鼻咽喉科です。アレルギー性鼻炎と同じく、抗アレルギー薬や点鼻薬などが使われます」

Q.寒暖差アレルギーの予防法はありますか。

市原さん「寒暖差によって自律神経が刺激されて症状が出るため、普段から、温度差をなるべくなくすように衣服などで調整することです。夏場はクーラーの効いた部屋に入るとき、冬場は外に出る時などは特に注意しましょう」

（オトナンサー編集部）