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マザコン夫の浪費癖に悩む34歳妻、義母を利用した“遠隔指導”でしめた味

「マザコン夫」といえば、一般的に「夫選びの失敗例」のように受け取られることが多いものですが、視点を変えるとプラス面がたくさんあるようです。

マザコン夫にイラつくよりも…
マザコン夫にイラつくよりも…

「マザコン夫」といえば、一般的に「夫選びの失敗例」のように受け取られることが多く、何でもママの言う通りにする夫にがっかりしたり、干渉してくる義母とバトルになったりとネガティブな相談が後を絶ちません。しかし、実は視点を変えるとプラス面がたくさんあり、実際にマザコン夫や“息子ラブ”の義母を「うまく活用しています」という事例もあるのです。

 30代の2人の女性から伺った、目からうろこのマザコン夫の活用事例をご紹介しましょう。

義母の“家事支援”を活用

 まどかさん(仮名、30歳)の夫は一人っ子。しかも、夫の両親も一人っ子同士という、少子化社会の典型のような家庭です。夫はきょうだいがいないだけでなく、いとこも不在。両親からの愛はもちろん、祖父母からも「唯一の孫」として溺愛されて育った、根っからの“おぼっちゃま系”です。

「夫は基本的に競争がない中で育っているので、超おっとりしていますね。ガツガツしなくても、欲しいものを全て与えられて育ってきた環境が今の優しい性格に表れていると思います。

付き合っているときから“母親大好き”な感じは見えていましたから、彼と結婚したいと考えたとき、『彼のママと今後、うまく付き合っていけるかどうか』をかなり真剣に考えました。結婚生活にも干渉してくるであろうことは容易に想像ができましたから」

 結婚して1年、義母とうまく付き合えているコツは「独占欲を手放すこと」だそうです。

「『結婚したんだから、いちいち母親と関わらないで!』と夫にいきなり主張すれば、義母だけでなく、夫からも反発がきます。それよりも、夫を義母と仲良くシェアすることでうまくやっていけると考えました。

私は結婚前からライターをしていて、その仕事をずっと続けたいと思っていました。そのためにも、義母の過干渉を認めることで家事の負担を減らせると思ったんです」

 もともと、実家の上げ膳据え膳の環境で育ったまどかさんの夫は家事能力ゼロ。いくら彼女の仕事が忙しくても、なかなか家事を分担してくれず、それがまどかさんを疲弊させていました。

「出張取材や締め切り前の繁忙期には、積極的に夫を実家に帰らせて、義母に面倒を見てもらうようにしました。私も時々、夫の実家で一緒にご飯をいただくのですが、その際、義母の料理を思い切り絶賛して、作り置きをどっさりもらって帰ってきます。

冷凍保存しておけば、しばらく料理しなくて済むし大助かりです。さまざまな形で義母が夫の世話をしてくれることで、こちらの家事負担が減り、それで義母もハッピーなら、私も相手もウィンウィンかなと思っています。

いくら、義母と夫が仲良しだろうとしょせんは親子。私と離婚して、2人で結婚なんて選択肢はないですからね。別の女と浮気されるより、よっぽどいいじゃないですか。私も義理ママ大好きです」

借金肩代わり、「お説教」役も

 佐枝子さん(仮名、34歳)の悩みは夫の浪費癖です。

「夫の実家は会社を経営していて、それなりに裕福です。だからなのか、思い付きで高額な買い物をしたり、仲間と飲みに行くと気前よくおごってしまったり、キャバクラでちやほやされて豪遊してしまったりと、お金の使い方が本当に幼稚なんです。自分の給料を考えずにカードの分割払いを設定するなんて、しょっちゅうですよ。でもそんなとき、私は“息子ラブ”の義母にすぐ相談するんです」

 相談といいながら、実際は「このままではクレジットカードが止められてしまう」「夫の会社に消費者金融から連絡がいくかもしれない」「キャバクラの女にだまされて、どんどん貢がされている」など必要に応じて話を盛りながら、夫の浪費ぶりを義母に言い付けるというもの。

「最初は『あなたの愛する息子さんはこんなにポンコツですよ』という義母への嫌みのつもりで借金のことを知らせたのですが、義母があっという間に夫の借金を完済し、夫に説教もしてくれたんです。私が文句を言っても聞く耳を持たないマザコン夫が、義母のお説教にはシュンとなっていましたから、『あ、このやり方は使えるぞ』と思いました。以来、義母に夫のことを定期的に相談するようにしています」

 相談のコツは「愛する息子が大変なことになってしまうかもしれない」という危機感を義母に持ってもらうこと。そして、「嫁の言うことよりも、母の言うことに夫は従うのだ」という義母の優越感をくすぐることだそうです。

「その効果もあって、最近はだいぶ浪費癖が直ってきましたし、息子の浪費の後始末もだいぶしていただいて助かりました。私もお小遣いをもらえますし。夫のマザコンが逆に役に立ったと思っています」

 息子ラブの義母を上手に家事支援に使い、自分のやりたい仕事を優先できているまどかさん。そして、義母の息子愛をうまく利用し、義母経由で夫の遠隔指導に成功した佐枝子さん。どちらもマザコン夫や息子ラブの義母と対立せず、2人の濃い関係性を利用して、自分に有利な状況をつくり出した例といえるでしょう。

 マザコンの度合いも人それぞれだと思いますが、正面からぶつからず、こんなふうにうまく取り込むのも一つの解決方法かもしれませんね。「夫と義母と私の“3人4脚”の家族」という発想ができるなら、皆がストレスなく快適に過ごすことができるのです。視点を変えれば、夫婦円満。結婚生活は、空高く飛ぶ鳥の目で見下ろしてみましょう。

(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。また、フェムテックの分野で女性を支援する企業「Glad」を創業し、新しいサービスを手掛けている。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式note(https://note.com/suzune_16)、Glad(https://www.glad.tech)。LINE登録で「夫婦仲チェックシート」を無料プレゼント(https://fufunaka.com/archives/lp/line)。

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