生魚は危ない! 食中毒が多発する「アニサキス」とは
生魚を食べたことによる食中毒が大きな話題となっている「アニサキス」ですが、そもそもどのような性質を持ち、被害を未然に防ぐには、どのようなことに注意すべきでしょうか。専門家に聞きました。
ここ最近、食中毒事案として目立ったニュースになっている「アニサキス」。6月末から7月にかけては、和歌山や埼玉でお刺身を口にした女性が腹痛を訴え、それぞれからアニサキスが検出される事案が発生しています。
このアニサキスとは一体、どのような性質を持ち、どうしたら被害を防ぐことができるのでしょうか。料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。
そもそもは海洋哺乳類に寄生する
まず、アニサキスはイカやサバ、タラ、サケ、アジなどの魚に寄生する線虫で、主には内臓に存在しますが、鮮度が落ちると身の部分(筋肉)に侵入します。
アニサキスは元々、イルカやクジラなどの海洋哺乳類に寄生しており、寄生した哺乳類の糞便の中に含まれるアニサキスの卵を魚介類が食べることによって、人にも感染します。感染すると腹痛や嘔吐(おうと)などの症状が出ることがあります。
アニサキスは肉眼で簡単に見ることができ、内臓に渦巻き状に張り付いたり、切り身の表面に付着したりしています。内臓であれば、取り除いた後に加熱して食べれば問題なし。身の内部に入り込んでいる場合は、70度以上の熱で加熱したり、24時間冷凍したりすることで死滅するため、その後に食べれば安心です。
「タラコの表面やタラの切り身、イカのワタに付着しているのを目にします。よく洗い落とすことと、あぶったり冷凍したりすることで感染を防げます。仮に体内に入っても人体には寄生できないため、症状がなければ2~3日で排出されます」(関口さん)
(オトナンサー編集部)
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