オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

調理前の「肉」は水で洗った方がいい? 「洗うと菌が飛び散る」指摘も、専門家に聞く

「生の肉を調理前に水で洗う人がいる」とネット上で話題に。しかし、洗うと肉に付着した菌が飛び散り、食中毒のリスクが生まれるとのリスクもあります。

調理前の肉は洗った方がよい?
調理前の肉は洗った方がよい?

「調理前の牛肉や鶏肉、豚肉を水で洗ってから使う人がいる」と先日、ネット上で話題になりました。日本では、肉を調理前に洗う人は少数派のようで、むしろ洗うことで、肉に付着していた菌がシンク周りに飛び散り、食中毒の原因になるとの指摘もあります。しかし、海外では、生の肉を洗ってから調理する人が多いそうです。生の肉は、調理前に水で洗った方がよいのでしょうか。料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。

肉のおいしさが失われる可能性も…

Q.調理前の生の肉は、水で洗った方がよいのですか。

関口さん「いいえ、基本的に洗う必要はありません。日本の精肉は衛生管理がしっかりしており、清潔な容器や包装材に入れて販売されているので、そのまま使っても問題ありません。それに、塊肉ならまだしもスライスした肉を洗ってしまうと、肉のうま味が抜けて肉本来のおいしさが失われたり、水分を含んで水っぽくなったりします」

Q.生の肉を洗うと、肉の表面に付いた菌がシンクや周辺に飛び散り、それが食器や他の食材に触れることで食中毒になる危険性があるという指摘があります。

関口さん「確かに、肉を洗うことで菌がシンクに付着したり、洗った後にシンクに置いた他の食材に菌が付着したりする可能性は高いです。肉を切った後の包丁やまな板で、果物を切ることが危険なのと同様です。すぐさま食中毒になることは少ないですが、不衛生な状態を放置し、菌が増殖すると、思わぬ事故が発生する可能性もあります」

Q.海外では、調理前の生の肉を洗う人が多いというのは本当ですか。

関口さん「本当です。海外では、生の肉を洗ってから使うことが多いようです。東南アジアをはじめ海外では、肉を包装せずに陳列していたり、おいしそうに見せるため肉に着色をしたりして販売している場合があります。

屋台のような屋外での販売で、虫が付着したり、素手で扱ったりするなど、衛生管理が行き届かないケースも多々あるようです。そうした国や地域ではたいてい、塊肉で販売していて、水で洗ってから調理するようです」

Q.肉に血が付いていたり、赤いドリップ(肉汁)が出ていたりすると、水で洗いたくなります。こうした場合も洗わない方がよいのでしょうか。

関口さん「ドリップが出ているのは鮮度が落ちた肉で、気持ちとしては洗い流したいところです。また、血は生臭みの原因となるため、きれいにしてから使う方がよいです。しかし、その場合も、衛生面やうま味の減少などを考慮すると、水で洗わず別の方法で対応した方がよいでしょう。

ドリップや血の付着が気になったり、ぬめりが出たりしている場合、ボウルに肉を入れ、塩とお酒を振って表面を引き締め、軽く水を入れて流しましょう。さらに、キッチンペーパーで肉を押さえて表面の水分を拭き取ると、なおよいです。

ちなみに、お酒は臭み消しになるので一石二鳥です。ショウガ汁などを加えても効果的です。水ではなく、50度程度のお湯に肉を浸けると、衛生面でもおいしさの面でもよいとされますので、一手間ですが一策ではないかと思います」

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)

料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/)。

コメント