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赤ちゃんの世話妨害されイライラ…上の子の「赤ちゃん返り」、どう対処する?

下の子が生まれると、上の子の「赤ちゃん返り」が始まることがあります。赤ちゃんの世話にも追われる中、母親はどのように対応すればよいのでしょうか。

上の子の「赤ちゃん返り」、どう防ぐ?
上の子の「赤ちゃん返り」、どう防ぐ?

 下の子が生まれると、上の子の「赤ちゃん返り」が始まることがあります。赤ちゃんの世話に追われる中、上の子がぐずり、赤ちゃんの世話を妨害するようになったら、ママのイライラはピークに達してしまいかねません。しかし、上の子は下の子の登場で“王座”を奪われ、居場所がなくなったと感じているので、心穏やかではいられないのです。

「会いたかったよ」と抱きしめる

(C)あべゆみこ
(C)あべゆみこ

 例えば、親子で近所を散歩すれば、周りの大人の視線は赤ちゃんに。「かわいい、おめでとう」「抱っこさせて」と、話題は生まれた子のことばかり。上の子は、自分も昔、皆から同じように接してもらったことなど覚えてはいません。そして、パンツにお漏らしをしたり、下の子の哺乳瓶を欲しがったり、ママが見ていないときに下の子をいじめたりしてしまうこともあります。

 こんなとき、つい「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になったんだから、いい子にしていなさい!」「いつまでも甘えておかしいわよ!」「お母さんは赤ちゃんの世話で忙しいの。どうして、わざと困らせるようなことをするの!」「ママは疲れているんだから」などと叱りたくなりますが、これでは“傷口に塩”です。また、親が叱れば叱るほど「ママは赤ちゃんの世話を中断して僕(私)に構ってくれた」と思い、親の気を引く行為がひどくなる場合もあります。

 このようなとき、魔法の対処法があります。

【産院で対面時、上の子を抱き締めてあげる】

 出産のために入院すると、上の子は数日間、ママと離れることになります。ママと病院で久々に対面するとき、その胸に常に赤ちゃんが抱かれていたら、「ああ、僕(私)の場所をこの赤ちゃんに取られた!」と感じるでしょう。

 産院で上の子と対面するときは、下の子をパパや看護師さん、助産婦さんに一瞬だけ預けて「わあ、久しぶり、会いたかったよ」と上の子を抱き締めてあげましょう。このとき、赤ちゃんを抱っこしたままで行わないことがポイントです。これだけで、上の子は救われた思いになります。

(C)あべゆみこ
(C)あべゆみこ

【上の子に、家の中での役割を与える】

 ママにとっては上げ膳据え膳だった入院生活から一転、掃除や洗濯、料理をしながら2人の子育てが始まります。そんなときは、上の子に役割を与えましょう。例えば、「赤ちゃんのオムツを持ってきてもらう」「タオルを畳んでもらう」などです。そして、「ママ、赤ちゃんの世話で忙しいけれど、あなたが手伝ってくれて本当に助かるわ」と感謝の言葉を掛けましょう。上の子は自分がいる意味を感じ、よい行動が増えていきます。

 もし、うまくお手伝いができなくても、「そんなグチャグチャだと、ママがやり直さないといけないでしょ!」などと駄目出ししてはいけません。「たくさんのことを我慢しているってママは分かっているよ。本当にお兄ちゃん(お姉ちゃん)になったね。立派だね」「赤ちゃんは、1人では何もできないから世話が焼けるのよ。あなたも小さい頃、こうしてあげたわ。覚えている?」と言ってあげましょう。

 また、上の子が赤ちゃんに、自分の食べているものを食べさせようとすることもあるかもしれません。そのときも「コラ! ダメ!」と叱るのではなく、「まあ、自分のおやつをあげているのね、優しいお兄ちゃん(お姉ちゃん)だね。でも、赤ちゃんはまだ歯がないから、今はミルクだけなの。ポテトチップスは自分で食べてね」と伝えましょう。

【上の子とママ、2人だけの時間をつくる】

 赤ちゃんといつも一緒にいるのではなく、週末はパパに1時間でも赤ちゃんを預けて、上の子と公園に行くなど、2人で過ごしましょう。普段も、赤ちゃんが寝ているときに「この間に家事を済ませてしまおう」ではなく、なるべく上の子だけのための時間をつくり、絵本を読んであげたり、積み木をして遊んであげたりしましょう。

 もちろん、ママは上の子にも十分愛情がありますが、言葉や行動に表さないと伝わりません。実際にしっかりと「形」で表すのです。ポイントは、下の子がその場にいない「自分一人だけでママを独占できる時間」をつくることです。

 以上が「魔法の対処法」です。ママの側は、子どもたちに分け隔てなく愛情をかけているつもりでも、上の子が「自分はないがしろにされている」と感じているケースはたくさんあります。「そんな心の余裕はない」と思うママもいるかもしれませんが、上の子の赤ちゃん返りに振り回されないためにも、ぜひ参考にしてください。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。著書は「1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ」「はずれ先生にあたったとき読む本」「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」など多数。ノンフィクション「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。

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