日本の喪服はどうして「黒」なのか 中韓では「白」も…
お葬式に着る「喪服」といえば、皆さんは黒色のものを想像することと思います。一方で、アジアのドラマや映画などを見ていると、白色の喪服もよく目にするはずです。日本の喪服はなぜ、いつ頃から黒になったのでしょうか。
日本では葬儀に参列する際、男女とも黒の喪服を着用しますが、ドラマや映画を見ると、中韓などのアジア諸国では、白の喪服を着ていることが多いように思います。
日本ではいつ頃から、なぜ、黒の喪服を着るようになったのでしょうか。オトナンサー編集部では、カラー&イメージコンサルタントの花岡ふみよさんに聞きました。
「黒」「白」の時代が交互に存在
花岡さんによると、日本には黒い喪服と白い喪服が使われていた時代が“交互に”存在しています。
「日本書紀」に描かれる、古代日本において喪服は白でしたが、平安時代になると、一部の貴族や豪族が庶民と差をつけるために、黒い喪服を着るようになりました。「源氏物語」にも、黒い墨染めの喪服が登場します。
一方、武士が活躍する室町時代になると、切腹の際に着用する死に装束を含めて、白が「死」をイメージする色として定着したためか、白い喪服が一般的になります。江戸時代においても、男性は白のかみしも、女性は白むくの小袖に白帯を着るのが一般的だったといいます。
しかし、明治維新をきっかけに西洋文化が広まると、喪服も西洋風の黒いものが取り入れられるようになります。1897年に明治天皇の嫡母である、英照皇太后の葬儀が行われた際、政府は西洋風の葬儀を導入し、参列者は黒の喪服を着用したそうです。
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