緑? それとも茶色? 「カーキ」の定義が人によって異なる理由
「カーキ色」と聞いたら、皆さんはどのような色を思い浮かべるでしょうか。緑がかった色や茶色っぽい色など、実はカーキ色には決まった“定義”がないようです。その理由を探ってみました。
皆さんは「カーキ」と聞いて、どのような色彩を想像しますか。茶色っぽい色が思い浮かぶ人、少し緑がかった色を想像する人など、その“定義”は人によってまちまちだと思います。これは一体どういうことでしょうか。
カラー&イメージコンサルタントの花岡ふみよさんによると、カーキには、ベージュやブラウン、ミリタリーブラウンなども含まれます。そもそも、英語の「khaki(カーキ)」は、ヒンディー語で「土埃色」を意味する「khaki」が語源。19世紀半ばに、インドに駐留していた英軍が、白い夏服が汚れるのを嫌がって土で染色し、これをカーキと呼んだのが始まりとされます。
その後、森林地帯での戦闘に適した、米軍の濃緑色の服もカーキと呼ばれるようになり、ひと口にカーキといっても、そこにはさまざまな色が含まれるようになったといいます。花岡さんは、カーキの魅力について「ファッションの定番色ながら、渋くて粋なイメージを醸し出せる個性的な色」と評します。
ちなみに日本では、明治期に陸軍が制服に採用した色がカーキと紹介されたのが始まりとされます。当時、日本軍の主戦場であった朝鮮半島や中国大陸の「黄土」の色に合わせた色で、現在のJIS慣用色におけるカーキも黄土色に近い色です。
カーキと言われて黄土色を想像する人がいるのは、こうした経緯によるものです。
(オトナンサー編集部)
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