赤い「×」だらけ…先生の過剰な添削やダメ出しが子どものやる気を奪う、まず褒めよう
細かい「添削好き」の先生や、親の「ダメ出し」が多いことは、子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。

小学校には、さまざまなタイプの先生がいます。文字を教えるとき、字形が多少崩れていても、「とめ」「はね」「はらい」がお手本通りきっちり書けていなくても、特に添削しない大ざっぱ過ぎる先生もいれば、反対に「もしかして虫眼鏡で手本と照らし合わせて添削しているのかしら」「先生自身、きちんと書けるのかしら」と疑いたくなるような、非常に細かい添削好きの先生もいます。
「添削」も担任によって違い
同じ小学校に通っていても、担任によって対応は異なります。
大ざっぱな担任の先生のよい点は「子どもが萎縮せず、伸び伸び字を書くようになる」などがあるでしょう。一方で、「受験で『6』か『O』か分からない雑な数字を書いて、バツにされてしまった」といったデメリットも考えられます。
細かい添削好きの担任の場合、「正しく丁寧に書くことを最初に指導されて、よい習慣がつく」ことがメリットであるのに対し、「人生の最初の段階でダメ出しや否定をされて、字を書くことが嫌いになった」といったデメリットもあるでしょう。
小学校の「書写」における学習指導書には、こう記載されています。
(1)本来「はね」といえるのは、「か」の一筆目の終筆だけである(「加」が字源であることから)
(2)次の筆へ行くための筆意「こ・い」の一筆目と、「せ・さ」の二筆目は、見える形の「はね」にならなくてもよい
つい最近まで幼稚園や保育園に通っていた子どもが、小学校に入って平仮名を習ったとき、「はね」ても「はね」なくてもどちらでもよいのに、「に」や「ら」の一筆目を「はねていないから」とダメ出しをされたら、どうでしょうか。本来、文字を書くことは、絵を描くことと同じように楽しい表現活動のはずなのに、入学直後から「勉強はつらい」と感じてしまうかもしれません。
小学校の段階では、学習指導要領で「点画の長短や方向、接し方や交わり方などに注意して、筆順に従って文字を正しく書くこと」とされています。それが基本ではあるものの、文字の細部に必要以上にこだわる先生がいて、本来であれば問題のないような違いによって、「一方だけが正しい」と正誤が決められる傾向にあります。
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