トランプ大統領就任でどうなる!? 歴史で見る日米貿易摩擦【後編】
そして「ジャパン・パッシング」の時代へ
そして、米国経済はIT革命によって劇的な回復を遂げたのでした。もはや、日本は米国の脅威とはみなされず、「ジャパン・バッシング」(日本たたき)に代わって、「ジャパン・パッシング」(日本素通り)や「ジャパン・ナッシング」(日本は何ものでもない)といった言葉も聞かれた時代です。
その後、2001年(自民党小泉/共和党ブッシュ)に「成長のための日米経済パートナーシップ」、2012年(民主党野田/民主党オバマ)に「日米共同声明:未来に向けた共通のビジョン」などが発表されましたが、それらはいずれも両国の協調を探るものでありました。
そして、今現在。トランプ大統領が就任して、日米貿易摩擦が再燃しそうな雲行きです。2016年1~11月の米国の貿易赤字全体に占める対日分は10%未満。この数字が5割前後ないしそれを大きく超えていた1980年代後半から1990年代前半と比べれば、隔世の感があります。
代わって、米国の貿易赤字の5割近いシェアを占めるのが中国です。したがって、かつてのような貿易摩擦が発生するとすれば、それは日米間より米中間になる可能性がはるかに高いです。それでも、貿易が不公平だと感じているトランプ大統領が、折に触れて日本に圧力をかけてくることは想像にかたくありません。
日米貿易摩擦の再燃が避けられるとすれば、それはトランプ大統領が「強い米国を取り戻した」と実感した時か、あるいは米国で政権交代があった場合に限られるのかもしれません。
(株式会社マネースクウェア・ジャパンチーフエコノミスト 西田明弘)

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