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DAZN「月980円」提示→実は「年2万6340円」に「二度と契約しない」 “紛らわしい料金表示”は法的にセーフ?

画面上に情報が書かれていた場合は一概に返金請求できず

Q.その後、DAZN側が6月18日、「DAZN Soccer」のすべての契約者を対象に、希望者には解約や返金の対応に応じると発表しました。もし何らかのサービスでDAZNと同様の広告表示により勘違いして契約してしまった場合、契約の取り消しや返金の請求は可能なのでしょうか。

佐藤さん「特定商取引法は、業者が、サービスの価格について不実の表示をしたことにより、その表示が事実であると誤認し、利用者が申込の意思表示をした場合、取り消すことができるとしています(同法15条の4)。もし他社の何らかのサービスで広告表示が『不実の表示』に当たる場合、特定商取引法に基づき、契約を取り消して返金を求めることができます。

なお、DAZNの場合、年間契約であることがサイトの目立たない場所に表示されていた期間については、『不実の表示』があったとは評価できません。そのため、仮にDAZN側が解約や返金の対応を行うと発表せずにそのままサービスの受付を続けていたとします。その場合、勘違いをして契約したとしても特定商取引法に基づいて契約を取り消すことは困難だったと考えられます。

『勘違い』を理由に契約を取り消す方法としては、他にも、民法の錯誤に基づく取り消しがあります。しかし、事業者からすれば、利用者が『月額プランだと思って』契約したのか、年間契約と理解した上で契約したのか分からないような事案では、錯誤に基づく取り消しも困難と思われます。

現行法では、分かりにくい表示であったとしても、契約画面に一定の表示がなされている場合、契約を取り消したり、返金を求めたりすることが困難なことが多いように思います」

Q.もし今回のDAZNのようなケースで、契約後に運営会社から解約・返金を拒否された場合、消費者は次にどのような行動を取るべきなのでしょうか。

佐藤さん「自治体の消費生活相談窓口に相談してみましょう。また、法的に解約や返金が可能かどうかは、事案によって異なるため、弁護士に相談するのも一つの方法です。

先述のように、現行法上、分かりにくい表示に気付かずに契約してしまったような場合、返金がなされないことも少なくありません。アプリやサイトの操作画面で、ユーザーをだましたり勘違いさせたりするデザインは、『ダークパターン』と呼ばれており、被害を予防するためには、まずダークパターンというものが存在することを知り、契約の際は即断せず、表示をよく読み、条件を確認することが重要になります」

Q.広告表示に関しては、あまり厳しい罰則がない印象がありますが、どのような理由が考えられますか。

佐藤さん「日本では、まだ、ダークパターンそのものを直接規制する法律がありません。先述の景品表示法や特定商取引法、その他、消費者契約法、消費者安全法、個人情報保護法など、関連する法律によって個別に規制されているのが現状です。

一方、世界ではダークパターンに対する包括的な法規制が進められており、日本も現在、消費者庁のデジタル取引・特定商取引法等検討会にて、ダークパターンに関する規制の具体化について議論がなされているところです。

ダークパターンは大きく7つに分類されていますが、多岐にわたる手法が取られており、法規制が追い付いていない面があります。今後の議論の行方に注目しましょう」

(オトナンサー編集部)

【怒り】「月980円」と勘違いしちゃう…批判が殺到した「DAZN」の“紛らわしい料金表示”

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佐藤みのり(さとう・みのり)

弁護士

神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。

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