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「歩けないほどの激痛」 暑いと“痛風”になりやすいのは脱水が原因? 注意すべき人の“特徴”とは【医師解説】

なぜ夏は痛風になりやすいのでしょうか。整形外科専門医に聞きました。

夏に痛風になりやすいのはなぜ?(画像はイメージ)
夏に痛風になりやすいのはなぜ?(画像はイメージ)

 連日、暑さが厳しい日が続いており、熱中症に注意が必要です。ところで、SNS上では「暑いと痛風になりやすい」という内容の情報があり、「痛風に苦しむ夏 痛すぎる」「朝起きたら左足首に歩けないほどの激痛が。病院に行ったら痛風でした」といった声が上がっています。なぜ夏は痛風になりやすいのでしょうか。まえだ整形外科リウマチクリニック(兵庫県尼崎市)院長で、整形外科専門医の前田俊恒さんに聞きました。

脱水が起こりやすい夏は痛風になりやすい

Q.そもそも、なぜ痛風になるのでしょうか。

前田さん「痛風は、血液の中にある『尿酸』という物質が増え過ぎることで起こる病気です。尿酸は、私たちの体の細胞や食品に含まれる『プリン体』が分解されるときに自然に作られる老廃物の一種です。通常は腎臓でろ過され、尿と一緒に体の外へ出ていきます。ところが、尿酸が作られすぎたり、うまく体の外へ出せなかったりすると、血液中の尿酸が増えてしまいます。この状態を『高尿酸血症』といいます。

尿酸が高い状態が続くと、余分な尿酸が針のような小さな結晶となって関節にたまり、ある日突然、体がそれを異物とみなして強い炎症を起こします。これが『痛風発作』です。

痛風は足の親指の付け根に起こることが多いですが、足首や膝、足の甲、手の指などに起こることもあります。多くの場合、『昨日までは何ともなかったのに、朝起きたら歩けないほど痛い』『風が吹いただけでも痛い』というように、突然発症し、激しい痛みが出るのが特徴です」

Q.暑いと痛風になりやすいという話を聞きますが、本当なのでしょうか。理由も含めて、教えてください。

前田さん「暑い季節は痛風発作が起こりやすくなると言われています。一番の理由は、『脱水』です。夏は汗をたくさんかくため、体の水分が不足しやすくなります。すると血液が濃くなり、尿酸の濃度も高くなるため、尿酸が結晶になりやすくなります。その結果、痛風発作が起こるリスクが高まるのです。

また、夏はビールなどのお酒を飲む機会が増える人も多いでしょう。アルコールは尿酸を増やすだけでなく、水分を尿として出しやすくするため、脱水をさらに進めてしまいます。

さらに、炎天下でスポーツをしたり、屋外で長時間作業をしたりして大量に汗をかいたあと、水分補給が十分でない場合も注意が必要です。つまり、『暑さ』『汗』『水分不足』が重なることで、痛風発作が起こりやすくなると考えられています。

果糖(フクトース)を多く含む清涼飲料水を過剰に取ると、体内でプリン体の分解が促進され、尿酸値の上昇につながるため、注意が必要です」

Q.痛風になりやすい人の特徴はありますか。例えば、健康診断でそれほど異常がなくてもなりやすい人はいるのでしょうか。

前田さん「痛風になりやすい人には、次のような共通する特徴があります」

・健康診断で「尿酸値が高い」と言われたことがある
・肥満や内臓脂肪が多い
・お酒をよく飲む
・肉料理やレバー、魚卵を食べる機会が多い
・高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病がある
・家族に痛風の人がいる

一方で、「健康診断で異常がなかったから安心」とは言い切れません。健康診断は年に1回程度という人も多く、その後に生活習慣が変わったり、夏場の脱水などが重なったりすると、尿酸値が一時的に高くなることがあります。

また、痛風は長年かけて尿酸がたまって起こる病気です。そのため、健診時には尿酸値がそれほど高くなくても、過去に高かった時期があれば発作を起こすことがあります。

健康診断で尿酸値が高めと言われた人は、症状がなくても生活習慣を見直し、必要に応じて医療機関で相談すると安心です。

Q.暑い時期に痛風を防ぐには、どのような対策が必要なのでしょうか。

前田さん「暑い時期の痛風予防で一番大切なのは、『小まめな水分補給』です。喉が渇いてからではなく、汗をかく前や汗をかいた後にも意識して水分を取るようにしましょう。また、お酒を飲む場合は飲み過ぎに注意し、お酒と一緒に水を飲むことも大切です。

そのほかにも、『バランスの良い食事を心掛ける』『食べ過ぎや飲み過ぎを控える』『適度な運動を続ける』『急激なダイエットは避ける』『十分な睡眠を取る』といった生活習慣を続けることが、痛風予防につながります。

すでに痛風や高尿酸血症と診断されている人は、自己判断で薬をやめず、医師の指示どおりに治療を続けることも大切です。

痛風は突然起こる病気ですが、日頃の生活習慣を少し意識することで予防できる可能性があります。特に暑い季節は、『汗をかいたら水分を補給する』という習慣をつけることが、痛風予防への第一歩です」

(オトナンサー編集部)

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前田俊恒(まえだ・としひさ)

まえだ整形外科リウマチクリニック 院長、医学博士、整形外科専門医、リウマチ専門医、リハビリテーション科専門医

肩こり・腰痛・関節痛などの慢性疼痛から、関節リウマチ、骨粗しょう症、スポーツ障害まで幅広く診療。

日常生活に根ざした運動指導・セルフケアの啓発にも力を入れている。肩や膝、腰の痛みなど日常の体の不調や身近な健康情報についても、医学的根拠に基づいた分かりやすい解説を行っている。まえだ整形外科リウマチクリニック(https://maedaseikei.jp)。

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