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東京、愛知で感染力強い「はしか」の感染相次ぐ 「風疹」との違いは?【医師解説】

はしか(麻疹)と風疹の違いについて、医師に聞きました。

はしか(麻疹)と風疹の違いとは?(画像はイメージ)
はしか(麻疹)と風疹の違いとは?(画像はイメージ)

 東京都や愛知県などで、感染力が極めて強い「はしか(麻疹)」の感染者が相次いで確認されています。SNS上では「怖いですね」「気を付けよう」という声のほか、「麻疹と風疹の違いって何だろう」などの声が上がっています。はしかと風疹は何が違うのでしょうか。草ヶ谷医院(静岡市清水区)・院長で、呼吸器専門医・指導医の草ヶ谷英樹さんに聞きました。

はしかは全身に赤い発疹が広がるのが特徴

Q.「はしか」と「風疹」は何が違うのでしょうか。症状や感染経路の違いなどについて、教えてください。

草ヶ谷さん「はしかと風疹は、どちらも非常に感染力の強いウイルス性疾患です。いずれも発熱と皮疹を伴うことから、区別がつきにくいと感じる人が多いのかもしれません。

はしかは主に空気感染で広がりますが、飛沫(ひまつ)感染や接触感染もあります。体内にウイルスが侵入(感染)してから、10~12日後に出現(発症)し、初めに鼻水、せき、熱など風邪のような症状が出たり、目の充血や光に敏感になる症状を伴ったりすることもあります。

発症後4~5日で解熱傾向になったあと、再び38~39度の発熱とともに、首周りから全身に広がる赤い発疹(斑状丘疹)が出るのが特徴です。発疹同士がくっついて大きくなることもあります。頬の内側や歯茎の内側に『コプリック斑』と呼ばれる白い斑点がみられることがあります。その後数日で徐々に回復します。

一方、風疹は感染から14~21日で発症し、発熱や皮疹、特に耳の後ろや首の後ろのリンパ節が腫れるのが特徴です。ただし発熱は風疹患者の約半数にみられる程度といわれています。典型的な症状がそろえば診断はつきやすいですが、実際にはこういった症状がすべての人にみられるわけではないので、診断は簡単ではありません。

風疹で特に注意が必要なのは、風疹に対する免疫が不十分な、妊娠20週ごろまでの女性が風疹ウイルスに感染すると、胎児に大きな影響を及ぼすことです。これは『先天性風疹症候群』と言い、目や心臓、耳などに障害を持つ子どもが出生することがあります。妊娠1カ月の場合の発症率は50%以上、妊娠2カ月でかかった場合の発症率は35%などと報告されています」

Q.症状ではしかと風疹を見分けることは可能なのでしょうか。

草ヶ谷さん「正直なところ、皮疹や症状のみで完全に見分けるのは難しいことも多いです。どちらかの病気を疑う症状があったら、麻疹や風疹のワクチン接種歴を確認することが非常に重要です。母子手帳にはワクチン接種歴が残っていますが、患者自身が母子手帳を持参して来院するケースはほとんどなく、実家に電話してワクチン接種歴を確認することもあります。ワクチンの接種歴があるかないかという情報は、はしかと風疹を見分けることに役立ちます」

Q.はしかと風疹とでは、どちらの方が感染力が強いのでしょうか。

草ヶ谷さん「感染力の目安の数値としては、基本再生産数という言葉が用いられます。これは“まだ誰もその免疫を持っていない集団の中で、1人の感染者が平均で何人にうつすか”を表した指標です。はしかでは12~18人、風疹では6~7人といわれています。つまり、はしかの方が風疹よりも感染力が強いことになります」

Q.はしかと風疹を防ぐ上でワクチンは有効なのでしょうか。

草ヶ谷さん「はしか、風疹ともに、その予防のためにはワクチンが最も有効です。いずれもワクチンの接種が強く推奨されています。医療関係者や教育関係者など、はしかや風疹の患者と接する危険性の高い人や、海外渡航を計画している人で『はしかや風疹にかかったことがない』『ワクチンを接種したかどうか不明』という場合は、接種を検討してください。

現在、主に使われているワクチンは、麻疹風疹混合ワクチンです。2回の接種を受けることで、95%以上の人が麻疹ウイルス、風疹ウイルスに対する免疫を獲得することができるといわれています」

(オトナンサー編集部)

【画像で見る】「えっ…知らなかった」 これが「はしか」の主な症状です!

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草ヶ谷英樹(くさがや・ひでき)

医師(草ヶ谷医院 院長)

呼吸器・アレルギー科専門医として大学病院勤務中に、精巣腫瘍や原因不明の顎関節症などで長期入院を経験。自分が患者という立場になり、「医療はもっと患者に寄りそうべきだ」という思いが生じ、2021年に祖父・父から続く「草ヶ谷医院」(静岡市清水区)を継承し独立。医学博士、日本内科学会 内科認定医/総合内科専門医、日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医、日本アレルギー学会 アレルギー専門医。日本医師会 認定産業医。草ヶ谷医院(https://kusagaya-clinic.com/)。

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