インフルエンザ「B型」流行、A型よりも“症状軽く”風邪と間違えやすい? 両者の違いとは【医師解説】
インフルエンザのA型とB型とでは、症状の出方や症状そのものにどのような違いがあるのでしょうか。医師に聞きました。

2026年1月以降、インフルエンザB型が流行しています。2025年秋にインフルエンザA型が流行しており、A型とB型に両方感染した人もいるようです。そもそも、インフルエンザのA型とB型とでは、症状の出方や症状そのものにどのような違いがあるのでしょうか。用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック(東京都世田谷区)院長で総合内科専門医、消化器病学会専門医の菊池真大さんに聞きました。
B型は発熱が緩やかなケースも
Q.2026年1月以降、インフルエンザB型が流行していますが、どのような原因が考えられますか。
菊池さん「2026年に入ってから全国的にインフルエンザB型の報告数が急増し、例年より約2カ月早い段階でB型が主流の地域が目立っています。こうした前倒しの流行にはいくつかの背景が考えられます。
まず2025年末から2026年初頭にかけてA型が異例の早さで大流行したことで、A型の減少期に免疫が交差しないB型が入り込みやすい状況が生じ、同一シーズン内でA型とB型の連続感染が起こりやすくなったことが挙げられます。
加えて、今季はインフルエンザ全体の流行開始が早かったため、B型の立ち上がりも自然と前倒しになりました。さらに未就学児や児童、生徒を中心とした集団感染が拡大し、幼稚園や保育園、学校を起点とした伝播が流行を一段と押し上げたと考えられています。これらの要因が重なり、今季のB型は『早く』『広く』流行するという特徴的なパターンを示しています」
Q.インフルエンザA型とB型の違いについて、教えてください。例えば、流行の時期や症状の出方に違いはありますか。
菊池さん「インフルエンザA型の方が早く流行し始め、通常は12月~翌年3月ごろに流行ピークを迎えます。B型の流行はA型より遅く、2~3月ごろにピークを迎えます。流行の規模はA型の方が大きいことが多いです。
インフルエンザの症状が“急に”出るのには明確な医学的背景があります。ウイルスが体内に侵入すると、1〜3日の潜伏期の間に急速に増殖し、一般的な感冒ウイルスよりも強い刺激を免疫細胞に与えます。その結果、主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質の一種である『サイトカイン』が大量に放出され、38度以上の急激な発熱や頭痛、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛といった全身症状が短時間で立ち上がります。
臨床で重要なのは、こうした全身症状が鼻水やせきといった上気道症状より先に出る点で、これはインフルエンザではウイルス増殖が非常に速く、粘膜の局所炎症よりも全身性の免疫反応が先行するためです。一般的な風邪のときにまず鼻水や喉の痛みが目立つのとは対照的で、この違いは診断の現場でも大きな判断材料になります。
さらに、A型とB型で症状の出方に違いがあるのも、ウイルス学的・免疫学的な性質の差によるものです。A型は増殖スピードが速く、感染初期からウイルス量が急激に増えるため、高熱や強い倦怠感、関節痛などの全身症状がより強く出やすい傾向があります。一方、B型はA型ほど爆発的な増殖ではなく、発熱がやや緩やかなケースや、鼻水やせきといった上気道症状が目立つケースもみられます。
また、A型は呼吸器全体で増殖しやすく強いサイトカイン反応を引き起こすのに対し、B型は特に子どもの気道や腸管で増殖しやすい性質があり、腹痛や下痢、嘔吐(おうと)などの消化器症状が比較的多いことが知られています。
加えて、A型は抗原変異が大きく、毎年『初めて出会うウイルス』に近い状態になりやすいため免疫反応が強く起こりやすいのに対し、B型は変異の幅が比較的小さく、過去の免疫が部分的に働くことで症状が比較的軽く感じられる場合もあります。
さらにB型は特に子どもで症状が強く出やすく、一度解熱した後、再び高熱が出る『二峰性発熱』、胃腸症状が目立つことがある一方、A型は全年齢で典型的な『急激な高熱と全身症状』が出やすいという特徴があります」









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