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風邪ひいて喉がチクチク…痛み和らげるには? 医師が摂取を勧める調味料&飲み物

喉の痛みをうまく和らげる方法について、総合内科専門医に聞きました。

喉の痛みを和らげる方法とは?
喉の痛みを和らげる方法とは?

 冬は気温が低く、空気が乾燥しやすいため風邪をひきやすい季節です。風邪をひくと喉が痛くなったり、イガイガしたりすることがありますが、喉の痛みをうまく和らげるにはどうしたらよいのでしょうか。対処法について、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院(東京都豊島区)院長で、消化器病専門医、総合内科専門医の柏木宏幸さんに聞きました。

ウイルス感染によって喉が痛くなるケースが多い

Q.そもそも、風邪をひいたときに喉が痛くなる原因について、教えてください。

柏木さん「風邪をひいたときに喉が痛くなる原因の多くは、咽頭炎です。いわゆる『喉風邪』ともいわれる咽頭炎の80~90%はウイルス感染が原因であり、主な病原体としてアデノウイルス、インフルエンザウイルスなどが挙げられます。

細菌による感染では、A群β(ベータ)溶血性レンサ球菌(溶連菌)が主に挙げられます。A群β溶血性レンサ球菌に感染すると、38度以上の発熱や悪寒症状のほかに、扁桃(へんとう)が腫れたり、扁桃に浸出物(白い膿)が付着したり、首にリンパ節が触れたりするなどの症状が現れることがあります。細菌感染では、ひどい場合には扁桃周囲膿瘍という命に関わるケースも想定されますので、早めに医療機関の受診が必要です。

また喉が激しく痛かったり、息苦しく感じたりする場合には、さらに奥の喉頭蓋が炎症を起こしている急性喉頭蓋炎の可能性もあります。その場合には専門医(耳鼻科)の治療を受けないといけません。

咽頭炎は、ウイルスや細菌などの病原体が咽頭の粘膜に付着することから始まります。組織に侵入して、病原体が増殖すると炎症が引き起こされ、免疫細胞が感染部位に集まります。これらの免疫細胞はサイトカインと呼ばれる物質(タンパク質)を放出します。その結果、免疫細胞がさらに集まり、血流が増加して、喉が赤くなったり、腫れたり、熱をもったり、痛みが生じたりします。また、サイトカインが血液を介して全身に流れると、発熱や関節痛、倦怠(けんたい)感などの全身症状の原因にもなります」

Q.喉が痛くなったとき、どのような薬で痛みを和らげるのでしょうか。

柏木さん「まず、医療機関で処方される薬や薬局で扱われている薬から説明します。咽頭炎に対して最もよく使用されるのは、トラネキサム酸(商品名:トランサミン)です。喉の痛みや腫れを起こすプラスミンという物質の産生や増加を抑える作用があるため、喉の痛み、発赤、腫脹(しゅちょう)などに効果があるとされています。咽頭炎と診断された場合に、処方薬として最も多く処方される薬剤であり、市販の咽頭痛の薬でもトラネキサム酸が含まれることも多いです。服用してから、2~3時間程度で効果が認められます。

喉が痛いときには、痛み止め(鎮痛薬)が使用されます。中でも、イブプロフェンは他の鎮痛薬より有効であるとされています。イブプロフェンは即効性があり、服用して30分後から効果があり、4〜6時間効果が持続します。イブプロフェン以外の痛み止めを使用することもあります。

漢方薬も使用されることが多く、桔梗湯(ききょうとう)、小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)、甘草湯(かんぞうとう)などがあります。特に桔梗湯は、咽頭炎や扁桃炎が起こった場合に処方されることが多く、服用して10~30分後に症状の改善を認めます。薬局では、桔梗湯や銀翹散(ぎんぎょうさん)などが販売されています。漢方に関しては体質や体調などによっても変わってくるため、医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。

のどあめやトローチも症状緩和に効果が期待できます。トローチは処方または薬局で入手することができます。のどあめは、さまざまな種類があるため、症状や好みによって併用していただくことも良いでしょう。たんが絡むような場合には去痰薬、せきがあって喉を痛めやすくなる場合には鎮咳薬を使用することもあります。

咽頭炎のほとんどがウイルス性であることから抗菌薬は不要ですが、高熱を伴うような場合には細菌性の可能性や、全身症状が強い場合にはインフルエンザ感染症の可能性もあるため、そのような場合には医療機関を受診の上、適切な処方をしてもらった方が良いでしょう」

Q.薬以外で喉の痛みを和らげる方法はありますか。

柏木さん「先述のような薬が手元にない場合にも、身近なもので対処法があります。まずはハチミツです。ハチミツは風邪の症状を改善させることが明らかとなっております。せき症状にも有効とされており、咽頭炎含め風邪をひいた際にはぜひお勧めしたいです。ただし、1歳未満の子どもにはハチミツを与えないでください。

塩水うがいも有効とされています。ウイルス性咽頭炎の患者が食塩水でうがいをしたことで、咽頭痛や嚥下(えんげ)困難・咽頭腫脹が改善したという報告があり、有効性が証明されています。食塩水の濃さとしては、体液と同じ0.9%の食塩水(生理食塩水)だと、目や鼻に入っても刺激がなく痛みもほとんどありません。そのため、塩うがいの際には100ミリリットルの温水に対して食塩1グラムを混ぜて使用してください。

また、塩水うがい以外にも、緑茶に含まれるカテキンによる抗酸化作用や抗ウイルス作用、抗菌作用、抗炎症作用が風邪の予防にも有効とされることから、お茶を飲むことや、お茶うがいによる風邪の予防や症状軽減が期待できます。

塩水うがいやお茶うがいは、咽頭炎の治療や予防だけでなく、口内炎や鼻炎、花粉症、口臭予防、風邪予防、インフルエンザ予防などにも有効とされております。イソジンのようなうがい薬は、殺菌効果や消毒効果がありますが、刺激が強いため、喉を痛めやすい人にも塩うがいやお茶うがいがお勧めです。

そして大切なのは、加湿です。喉を保湿することで、咽頭痛を改善することが明らかとなっています。また、保湿することで肌や粘膜のバリアー機能を向上させることや、ウイルスの活性を防ぐ効果もあるため、風邪予防のためにも大切です」

(オトナンサー編集部)

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柏木宏幸(かしわぎ・ひろゆき)

総合内科専門医、消化器病専門医、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院 院長

埼玉医科大学医学部卒業後、沖縄県で初期臨床研修を修了。東京女子医科大学消化器病センター内科へ入局し、内科・消化器内科・内視鏡診療および治療に従事。炎症性腸疾患グループに所属し、臨床および教育活動の両面で活躍。後に同センターにて助教を務める。

その後、複数の民間病院にて臨床経験を積み、2023年4月に「池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院」(東京都豊島区)を開院。胃がん・大腸がんの早期発見啓発と内視鏡検査の普及を目的とした診療体制を構築。開院から1年2ヵ月で月間内視鏡件数600件を超え、池袋周辺の企業勤務者および地域住民の健康診断、生活習慣病治療(高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症)や一般内科診療にも力を入れている。

アクセスの良い立地を生かし、首都圏のみならず全国各地、さらには海外からも受診者が来院。現在は外来診療に加え、YouTubeチャンネルを通じて医療知識の普及や内視鏡検査の重要性について積極的に情報発信を行っている。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院(https://www.ikebukuro-cl.com)。公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)。

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