「なりたい職業」上位、声優業界における「転職」の現状とは
「ギャラの価格破壊」起きやすい状況も
厳しいジュニア期間を経て、めでたくランクに上がるとギャラは一気に、2~3倍に跳ね上がるそう。しかし、急に高額になるため、「ピタッと仕事の依頼がなくなる場合もあります」。
そういった状況を避けるため、芸名とプロダクションを変えながらジュニアを10年以上続ける役者もいるといいます。また、昨年からは、新しくランクになる人たちの救済意向から、2年間の「ステップランク」という新しい制度がジュニアとランクの間に新設されたそうです。
小松さんは「何をもって“成功”と呼ぶかは人それぞれだし、『役者は生き方』という考えを持つ人も多い」とし、40~60代のジュニア声優が生まれ続ける背景にこうした制度や考えがあることを指摘します。
また近年は、プロダクションの意向などで日本俳優連合に登録せず、仕事を行う声優も増えており、「ギャラの価格破壊が起きやすい状態」にあるといいます。
小松さんはこうした現状について、「業界構造の『見える化』を進めてほしい」と提案します。その結果「声優に憧れるお子さんたちも『そんなに甘い世界ではない』と覚悟を持って臨むことにつながりますし、自らの具体的な目標を定めやすくなります」。
また「単なる憧れや情報不足のまま、転身や転職をするのは失敗の元かもしれませんが、失敗して初めて気づけることや見える世界があり、人間的に成長・変容できる可能性もある。自分の人生をどう歩みたいかの自己選択と自己決定、そして、人生への責任をどう捉えるかではないでしょうか」と話します。
(オトナンサー編集部)
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