「なりたい職業」上位、声優業界における「転職」の現状とは
落語家の月亭方正さんがあるテレビ番組で、お笑いタレントから落語家に転身した経緯を説明。そこで今回は、声優経験の豊富な小松美智子さんに、声優業界における“転身”の現状を取材しました。

落語家の月亭方正さんが、10月25日放送のトーク番組「わざわざ言うテレビ」(テレビ大阪)で、お笑いタレントの「山崎邦正」から落語家に転身した経緯を明かしました。
現在48歳の月亭方正さんは40歳を迎えた頃、自分自身のキャリアを振り返り、むなしさや不安を感じたのだとか。月亭さんのような人気のある有名人でも、こうした経験があるのかと驚いた人も多いことでしょう。
オトナンサー編集部では今回、声優としての経験も持つ小松美智子さんに、声優業界における“転身”の現状を聞きました。
一見華やかだが「実力主義強い」
昨今のアニメブームもあり、一見すると華やかな声優業界ですが小松さんは「実力主義が強く、業界もピラミッド構造になっている」と指摘します。
小松さんによると、学業やアルバイトと並行して養成所に通い、その後オーディションを経て声優プロダクションに加入、「準預かり」「預かり」「ジュニア」といった“声優の卵”のポジションを経て、晴れて「ランク」として正式契約を交わすのが典型的な流れだそうです。
「ランクになって継続的に仕事が取れ、生活費が安定的に稼げるようになってようやく、職業人としての声優と呼ばれるのでは」(小松さん)。作品出演への一般的な道筋は、多くの声優が身を置く「日本俳優連合」に、まずはジュニア登録されてでき上がっていくといいます。
日本俳優連合は、ジュニアの在籍期間は3年間と決められており、ジュニア時のギャラは一律1万5000円。この3年間で、自身の実力と周囲との信頼をどれだけ築けたかで今後が左右されるといいます。ジュニアで仕事がない状態が続くと、業界から去る人も多いそう。アルバイトをしながら、月数本の仕事をこなしているジュニアも多いといいます。
ジュニアは10~30代が中心ですが、「専業主婦、看護師、40代会社員、60代の元教師、行政書士や司法書士の有資格者」といったユニークな転身組も少なくないそう。彼らに共通するのは元々、芝居や映画鑑賞など「表現」に関心があったということです。
コメント