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完全自動運転「レベル4」によって自動車保険は消滅するのか?

東京海上日動火災保険が先日、自動運転のシステム不具合に由来する事故を補償する特約を発表しました。そこには一体どのような意味があるのでしょうか。そして、自動運転と保険の未来とは…。


自動運転技術は保険業界のあり方をどのように変えるのか…

 2016年5月17日、米フロリダ州の高速道路。自動運転モードで走行中のテスラが白色のトレーラーと激突し、テスラの運転者が死亡する事故が発生しました。

 近い将来「自動運転初の死亡事故」と言われるであろうこの事故は、保険業界とりわけ損害保険に携わる人たちに大きな衝撃を与えました。

 なぜなら、私たちは事故によって、「機械や人工知能(AI)が起こす交通事故の責任は誰にあるのか」の議論をそろそろ真剣に行わないといけない、ということに気づかされたからです。

 その一つの“回答”と言えるでしょうか。東京海上日動火災保険が先日、自動運転のシステム不具合に由来する事故に関しても支払いを行う特約を発表しました。現在加入中の契約者は無償でこの特約を付けられるといいます。

他社も東京海上に追随するトレンド?

 従来、システム不具合による事故はドライバーに過失がないため、保険の支払い対象になりませんでした。つまり、事故の被害者は自動車メーカーを訴えるなどして交渉を行う必要がありましたが、一個人が巨大な自動車メーカーと交渉するには多大な労力が必要になります。

 そこで今回の特約は、保険会社がまず被害者を救済し、その後、自動車メーカーなどに対する責任追及と損害賠償を行うという内容が盛り込まれています。

 来たるべき「自動運転社会」を見据えた、「自動運転のトラブルも保険会社が解決します」というメッセージであり、保険加入者からすれば非常に心強く、さらに無償の特約は喜ばしいことです。おそらく、他社も東京海上の動きに追随するでしょう。

 しかし、今回の動きはそうした“社会的意義”だけにとどまるものでしょうか。

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