自閉症の人にも「優しい無視」を…見た目では分かりづらい障害を抱える子と親の現実
自閉症の人には「お金を払ってください」
あるとき、自閉症の人とダウン症の人、そしてそれぞれに付き添うヘルパー2人の計4人で、都電荒川線に乗ったときのことです。
障害者手帳の提示以外に、東京都内に住民票のある身体障害者や、知的障害者などに発行される「都営交通無料乗車券」があると、運賃が無料になります。ただ、そのときは、どちらの人も無料乗車券を持っていませんでした。
電車の乗務員が2人を見て、ダウン症の人には「無料でいいですよ」と言ったのに対し、自閉症の人には「お金を払ってください」と言いました。同じグループで、同じように障害があることは明らかなのに、顔を見て判断されてしまったのです。
ダウン症の人は「一目で分かるから」スムーズに受け入れられ、自閉症の人は「健常者に見えるから」説明が必要になる――。それが現実です。「見た目で分からない障害」への理解が、まだまだ足りないということです。
誰もが「優しい無視」をされる社会になるといい。そう願っています。
(子育て本著者・講演家 立石美津子)









無料乗車券を忘れたの自分の落ち度なのに、乗務員に文句を言うのはひどい言いがかり。そもそも乗車券を見せないといけないのは、悪意をもったものが障碍者を装って無賃乗車するのを防ぐという意味もある。