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総裁任期延長でも…アベノミクスのピークは2018年末? 景気の山と谷を示す「景気基準日付」とは

「景気基準日付」をご存じでしょうか。「景気」については内閣府が各種データから計測を行い、過去の好景気や不景気の「時期」を定めています。今回はその仕組み、そして、アベノミクスの“未来”について考えます。

内閣府が公表する「景気基準日付」とは…

 近頃、筆者を含む中小企業経営者の話題の一つに「東京五輪・パラリンピックまで景気は持つのか」というものがあります。

 事業というものは自社の努力もさることながら、景気に左右される部分も大きく、経営者であれば、その動向を絶えず気にしなければならないからです。

 皆さんは「景気基準日付」というものをご存じでしょうか。一般に「好景気」「不景気」は気分の問題と思われていますが、実は内閣府が各種データから計測を行い、好景気を「拡張」、不景気を「後退」と呼び、それぞれの「時期」を定めています。

 今回はその仕組み、そして、第2次安倍政権の経済政策「アベノミクス」の“未来”について考えます。

アベノミクスは景気の「第16循環」にあたる

 景気基準日付は1951(昭和26)年6月から実施されており、景気が底を打った月を「谷」、景気がピークを迎えた月を「山」、さらにそこから景気が下がり、再び「谷」となるまでの一巡を「一循環」としています。

 最近では2009年3月に「谷」、2012年3月に「山」、そして、2012年11月に再び「谷」と景気が一巡。この山は「第15循環」と定義されており、1951年から数えて15回目の景気の山が終わったことを意味しています。

内閣府経済社会総合研究所「景気基準日付」を基に作成

 さて、直近の景気の「谷」である2012年11月の翌12月に、安倍晋三氏が内閣総理大臣に返り咲き、その経済政策「アベノミクス」がスタートしています。「円安誘導」「株高」などに象徴される「第16循環」の始まりです。

 それでは、現在は好景気(=拡張)と言えるのでしょうか、それとも不景気(=後退)なのでしょうか。

 実は答えはまだわかっていません。

 景気基準日付は、ある程度の時間がたった後に決められるもので、専門家で構成されたチームが各種データを分析し、「今思えばあの時が景気の山(または谷)だった」と決定するのです。

 そのため現在、景気が上向いているのか、下向いているのかは、「わからない」ということになります。

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

あおばコンサルティング代表取締役、1級FP技能士、宅建士

大手外資系生命保険会社にて11年間、個人・法人のコンサルティング業務に従事。2015年に株式会社あおばコンサルティングを設立。日本初の、チャットでのお金のサービス「みかづきナビ」を開始。現在ではzoomも活用し、FP相談や保険相談で顧客の課題解決に取り組んでいる。みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp/)。

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