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年齢とともに「だんだんやせにくくなってきた…」→実は「加齢でやせにくくなる人」には特徴があった【医師解説】

「昔は食べ過ぎてもすぐ戻ったのに…」。多くの人が実感している「年齢とともにやせにくくなる」切ない現象。医師によると、加齢によってやせにくくなる人には、ある特徴があるようです。

昔はすぐに体重が戻ったのに…!
昔はすぐに体重が戻ったのに…!

 おそらく、多くの人に心当たりがあるであろう「年齢とともに、だんだんやせにくくなってきた」という実感。「昔は食べ過ぎてもすぐ戻ったのに…」「食べた分だけそのまま体重が戻らなくなっちゃった…」といったあまりにも切ない経験談が多数見受けられます。中には、「どうして年を取るとやせにくくなるんだろう?」と疑問に思う人も。

 eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんは、「自分が、加齢によってやせにくくなるのかどうかを見極めるためのポイントは2つある」と指摘します。実際に「やせにくくなり始める」のは何歳なのかについても、詳しく教えていただきました。

加齢とともに筋肉量が減っていくと…

 まず、体重が減る(やせる)とき、人間の体内でどのようなことが起こっているのかについて解説します。

 体内で過剰になったエネルギーは中性脂肪となって、体内に蓄積されます。この脂肪が皮下脂肪や内臓脂肪になって、太るわけです。逆に、体重が減ってやせるときには、脂肪細胞が分解される必要があります。

 運動などで体内のエネルギーが減少すると、「リパーゼ」という酵素が活発化して、中性脂肪が「遊離脂肪酸」と「グリセロール」に分解されます。この遊離脂肪酸が全身の筋肉に運ばれて、エネルギーに変換されます。これがいわゆる“脂肪が燃焼する”状態です。

 体重といえば、「年を取るにつれてやせにくくなってきた」「加齢とともに体重が落ちづらくなった」ことを実感している人は少なくないのではないでしょうか。結論からいいますと、これは事実です。

 人間の生命維持活動に必要なエネルギーである「基礎代謝」は寝ている間も消費するものですが、筋肉には体温を維持する働きがあり、これに多くのエネルギーを必要とします。つまり、筋肉量が少なくなると消費するエネルギーも減り、基礎代謝が落ちることになります。

 体温維持や、運動の際のエネルギー消費量は筋肉量に比例するため、加齢とともに筋肉量が減っていくと基礎代謝量も低下していきます。そのため、やせにくくなるのです。

やせにくくなり始めるのは何歳から?

 ここで、多くの人が気になると思われるのが、「やせにくくなり始める年齢」だと思います。

 筋肉量が落ちて、基礎代謝量が低下するタイミングは個人差がありますが、50歳以降に目立ち始めるため、「やせにくくなった」と実感することが多くなってくるでしょう。やせにくくなり始めるタイミング(年齢)の、一つの目安となるかもしれません。なお、70歳以降では、さらに基礎代謝量は低下してきます。

 一方で、「年齢を重ねても体形がほとんど変化しない人」に心当たりがある人もいるのではないでしょうか。実際のところ、年を取っても体重を維持しやすい人もいると考えられます。

 加齢に伴う基礎代謝量の低下の主な理由に、「骨格筋量の減少」が挙げられます。運動習慣がある人は筋肉量が減りにくいので、やせにくくならない可能性が高いです。散歩などの有酸素運動に加えて、筋トレなどの無酸素運動を取り入れると、より筋肉量の維持・強化につながるので、おすすめです。

 ところで、「加齢によってやせにくくなる人」には、いくつかの特徴が存在します。

 まず、そもそもの食生活が「不規則」「過食」などで乱れているとやせません。運動習慣がない人も同じです。遺伝的要因もありますが、生活習慣の影響の方が大きいといえます。「自分が、加齢によってやせにくくなるのかどうか」を見極めるには、「自分の今の生活習慣が悪くないかどうか」「現状、肥満ではないか」の2点を意識し、見直すことが必要です。

 体組成計や体脂肪計で筋肉量を測れるものがあるので、自分の筋肉量が年齢相応なのかどうか、変化を確認する意味でも測ってみるといいですね。

 そして、きっと多くの人が「いくつになってもやせやすい体」を望むことと思います。「加齢によってやせにくくなった体を、やせやすい体に戻せるならば戻したい……!」と思う人もいるでしょう。

 やせやすい体に戻すためには、「運動する」ことに尽きます。基礎代謝量をアップさせるためにも、先述の通り、有酸素運動に加えて無酸素運動を取り入れ、筋肉量の維持・強化に努めることが大切です。

 同様に、体重を維持しやすい体のキープにもやはり、運動が重要です。若いうちから運動習慣をつけておくと、年齢を重ねても運動することに対する抵抗が少なくなります。年を取ってから運動を開始しようとしても、気が向かずに結局できなかったり、いざ運動を始めたとしても腰や膝を痛めたりすることもありますし、実際にそういう人を多く見ます。日常的に運動する習慣は、ぜひ若いうちからつけておきましょう。

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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