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妊娠中、食べてはいけないものは? 「情報多すぎて分からない」などの声、医師に聞く

食べ過ぎ、飲み過ぎに注意のものは?

Q.食べることは問題ないものの、過剰摂取すべきでない食べ物や飲み物はありますか。

尾西さん「妊娠期間中、食べること自体に問題はないものの、過剰に摂取しすぎると赤ちゃんへのリスクが高まる食べ物、飲み物は次の通りです」

【魚(マグロ・カツオ)】

マグロやカツオなど大型の魚は、小魚よりも水銀が多く含まれており、多量に摂取すると赤ちゃんに異常が出る場合があるので注意が必要です。ただし、魚にはDHAやEPAなど、赤ちゃんの発育に重要な栄養も含まれているため、毎日食べなければ問題ありません。

また、刺身や寿司なども「食べてはいけない」と思っている方が多いと思います。しかし、これは生肉とは少し理由が異なり、「妊娠中は免疫力が落ちるため、生魚に当たりやすくなる」という理由によるものです。確かに、胃腸炎などの感染症になると流産や早産のリスクが少し上がるので要注意ですが、絶対に食べていけないわけではありません。

厚生労働省が、妊娠期間中に食べる魚の種類と量について「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」を公開しているので、妊婦さんは確認しておくとよいでしょう。

【レバー・ウナギ】

妊娠中、貧血対策のためにレバーを食べる方も多いかと思います。レバーにはウナギなどと同様、ビタミンAが豊富に含まれているため、「過剰摂取は赤ちゃんの耳の異常などが現れる」と言われていますが、こちらも毎日でなければ問題ありません。一般的に、毎日レバーやウナギを食べるということもないので、あまり気にする必要はありません。

【カフェインを含む飲料】

コーヒーも、カフェインが含まれているため、過剰摂取は赤ちゃんの発育不全を引き起こすと言われていますが、こちらも、1日1〜2杯であれば問題ありません。最近はデカフェ(カフェインレス)を置いているところも多いので、気にする方はデカフェにするとよいでしょう。

カフェインは、緑茶や紅茶にも含まれているため、コーヒーの代わりに飲むのであれば、麦茶やルイボスティーなどノンカフェインのものに変えましょう。

【葉酸】

最近は、葉酸のサプリメントを摂取する妊婦さんも増えています。葉酸は妊娠前から摂取することで、「神経管閉鎖不全症」という赤ちゃんの先天異常が予防できるのですが、サプリメントの場合は食事に比べて多量に入っているため、過剰摂取には注意が必要です。過剰摂取によって自閉症などのリスクが上がると言われています。

Q.その他、妊娠中の食事について気を付けるべきことは。

尾西さん「妊娠中に食べてはいけないものとして、『あれもこれも』と言われると、結局食べるものがなくなってしまうということになりかねません。10カ月は短いようで長いので、その間ずっと我慢をするのでは食事も楽しくありません。

妊娠中はバランス良く栄養を取ることが重要なので、先述の注意点だけは頭に置き、あまり神経質にならずに上手に楽しく食事できるようにしましょう」

(ライフスタイルチーム)

YOSHIKEI(ヨシケイ)
YOSHIKEI(ヨシケイ)
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尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(神谷町WGレディースクリニック院長)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性の全ての悩みに応えられるかかりつけ医として、都内の産婦人科クリニックに勤務。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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