妊娠中、食べてはいけないものは? 「情報多すぎて分からない」などの声、医師に聞く
妊娠中に食べてはいけない食品について、「情報が多すぎて分からない」などの声が飛び交っています。医師に聞きました。

妊娠中に食べてはいけない食品は結局、どれなのか――。このような趣旨の投稿が先日、SNS上で話題になりました。妊娠中は、日々の生活の中で制限されることが多くなりますが、特に気を使うのが食事です。母体・胎児の両方に悪影響を与えうる食べ物は控えなければいけませんが、さまざまな情報があふれる昨今、「結局どれが正しいのか」と悩む女性も少なくないようです。
SNS上では「情報が多すぎて分からない」「知らないうちに食べていたらどうしよう」「生ものは本当にダメなの?」など、さまざまな声が上がっていますが、実際のところはどうなのでしょうか。医師の尾西芳子さんに聞きました。
アルコール、生肉、非加熱輸入チーズ
Q.妊娠中に口にすべきでない食べ物は何でしょうか。
尾西さん「まず、妊娠中に絶対取ってはいけないものとして、以下3つが挙げられます」
【アルコール類】
アルコールの代謝物は胎盤を通って赤ちゃんに届き、細胞の増殖や発達を阻害することで流産や死産、赤ちゃんの先天異常が引き起こされます。先天異常は「頭が小さい」「顔貌がおかしい」「心臓や関節に奇形がある」「精神発育遅延」など、さまざまな症状となって現れます。
【生肉(火の通っていないもの)】
加熱されていない肉として、最近は生肉のユッケを食べる人は減っているかと思いますが、生ハムなどは知らずに食べてしまうケースも多いようです。
また、レアのステーキも注意しましょう。肉類には「トキソプラズマ」という原虫がいる場合があり、これを摂取すると先天異常を引き起こすことがあります。トキソプラズマは、猫の排せつ物にいることで知られていますが、生肉のほか、土にも動物の排せつ物から混じることがあるため、土のついた生野菜などはきれいに洗いましょう。妊婦に症状は出ませんが、流産や早産、中枢神経障害や眼の障害などの症状が赤ちゃんに現れます。
よく「結婚式に参列し、やむを得ずレアの肉を食べてしまったが、トキソプラズマにかかっていないか心配」という患者さんがいますが、このような場合は抗体検査を行い、感染の有無を調べることができます。
【輸入物のチーズ(加熱処理されていないもの)】
日本国内で製造されたものや、輸入物でも加熱処理したプロセスチーズは問題ありませんが、特に火の通っていないモッツアレラチーズやリコッタチーズなどは、「リステリア」という菌がいる場合があり、流産や早産の原因になるので注意が必要です。ピザのように、しっかり加熱すれば問題ありません。
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