「障がいは言い訳」 東京都がパラスポーツ応援イベントの不適切ポスター撤去、選手に謝罪
東京都が「障がいは言い訳にすぎない。負けたら、自分が弱いだけ」と表記したポスターを掲示し、都民などの指摘を受けて撤去しました。

東京都は10月16日、東京駅などに掲示していたパラスポーツの応援イベント用ポスターの一部を撤去したと発表しました。ポスターの「障がいは言い訳にすぎない。負けたら、自分が弱いだけ」というキャッチコピーの掲示方法に不適切な部分があったとしています。キャッチコピーは元々、パラアスリートが自分を鼓舞するために自らに向けた言葉の一節ですが、誤解を生む表現になっていました。
都民などから指摘を受け撤去
都によると、撤去したのはバドミントンの杉野明子選手のポスターで、「障がいは言い訳に…」のキャッチコピーに疑問の声が相次いだといいます。障害者を責める言葉にも受け取れ、SNS上では「この言葉だけは言われたくない」「差別」「本当に悲しくなる」といった声が上がっていました。
キャッチコピーについて都は「この言葉は、杉野選手御自身が競技に向き合う姿勢を表したものであり、決して他の方に向けられたものではありません」としたものの、「東京都のデザイン及び掲示方法が不適切であったため、不快な思いをされる方が生じる事態となりました」とコメント。東京駅構内の当該ポスターを撤去したほか、パラスポーツプロジェクト「TEAM BEYOND」の公式サイト内で掲載していた画像を削除したと発表しました。
また、都は「杉野選手及び日本障がい者バドミントン連盟様には、御迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」などとコメントしています。
ポスターは、10月12日から21日まで都内で開催中のパラスポーツを応援するイベント「BEYOND FES 丸の内」の一環で貼られていたものでした。このイベントでは、杉野選手を含む23人の選手について、競技中の写真とともに競技に向き合う強い気持ちを添えたポスターを制作していました。
オトナンサー編集部は、都の担当者に取材を申し込みましたが、都は「担当者不在」としています。
(報道チーム)
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