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就寝時は「あおむけ」or「横向き」 どっちの姿勢がいいの? 睡眠の質を上げるポイントとは 専門家が解説

就寝時はどのような姿勢で寝るのが望ましいのでしょうか。上級睡眠健康指導士に聞きました。

就寝時はどのような姿勢が望ましい?
就寝時はどのような姿勢が望ましい?

 就寝中はあおむけの姿勢が楽に感じる人もいれば、横向きの方が眠りやすいという人もいると思います。どのような姿勢で寝るのが望ましいのでしょうか。寝返りにはどのような役割があるのでしょうか。上級睡眠健康指導士の山本智子さんに聞きました。

自分が寝やすい姿勢でOK

Q.そもそも就寝中はあおむけ、横向き、うつぶせ、どの姿勢を維持するのが望ましいのでしょうか。

山本さん「そもそも、睡眠中は一晩に20~30回寝返りを打つのが普通であり、姿勢を維持するのは不可能です。寝返りを打つたびに姿勢は変わります。寝姿勢には一長一短があるため、自分が一番心地よい姿勢で寝るのがよいでしょう。睡眠環境を整えて、寝返りしやすい睡眠環境体勢をつくることが重要です。

それぞれの寝姿勢の一長一短について説明すると、あおむけは体圧が分散されて負担が少ない一方、いびきをかきやすい体勢です。横向きで寝ると呼吸がしやすく、いびきをかきにくいものの、同じ方向ばかりで寝ていると、体のゆがみや痛みにつながる恐れがあります。

うつぶせ寝はリラックスしやすくいびきをかきにくいものの、顔面が左右どちらかを向くので背骨や首がねじれた状態になり、首や腰の痛みにつながりやすいです」

Q.寝返りの役割について、教えてください。

山本さん「寝返りには『睡眠中に体の一部に負担がかからないようにする』『睡眠中に体温調節をする』という重要な役割があります。寝姿勢よりも、寝具が合っていないことや体の痛みなどでスムーズに寝返りを打てないことの方が問題と言えます。就寝中にスムーズな寝返りを打てない状態であれば、その原因を見つけて改善する必要があると思います」

Q.就寝中にスムーズに寝返りを打つにはどうしたらよいのでしょうか。

山本さん「先述のように、人は一晩に20~30回寝返りを打つため、特定の姿勢を維持することはありません。スムーズに寝返りを打てることの方が重要です。寝具やパジャマを寝返りの打ちやすいものにすることが大切です。

寝るときは1つの敷き寝具、1台のベットを1人で使うのが望ましいです。キングサイズベッドで2人で寝る際も、掛け布団はそれぞれ別のものを使いましょう」

* * *

 就寝中は寝姿勢よりも、スムーズに寝返りを打つ方が重要であることが分かりました。寝返りには、睡眠中に体の一部に負担がかからないようにし、体温調節をするという重要な役割があるということなので、スムーズに寝返りが打てていない場合は寝具やパジャマを見直すとよいかもしれませんね。

(オトナンサー編集部)

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山本智子(やまもと・さとこ)

上級睡眠健康指導士

大学時代に臨床心理学科にて睡眠の研究に従事。15年間の会社員生活の後、2022年に独立。中小企業の人手不足倒産を防ぐための事業の一環として、睡眠改善を用いた健康経営支援を実施。上場企業、小学校、中学校、地域のサロン、オンライン等で、「睡眠衛生教育」に関する講座実績多数。公式ホームページ(https://www.growthmuch.com

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