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【夫婦と年金】“下流老人”“老後破産”に陥らない 老後の資金計画を上手に作る4つのポイント

「夫婦と年金」について考えるこの企画も今回が最終回。最後は共働きと専業主婦いずれの世帯も、老後の資金計画を立てるにあたって注意すべきポイントを紹介します。

老後の資金計画のために重要なポイントとは…

 「夫婦と年金」の関係について考えるこの企画。最終回の今回は共働き世帯と専業主婦世帯のいずれもが、老後の資金計画を立てるにあたって注意すべきポイントをファイナンシャルプランナー(FP)の中尾剛さんと見ていきます。

まずは必要金額の試算を

1.老後に必要な毎月の金額を試算する

 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」によると、老後の最低生活費は月平均22万円、“ゆとりある老後”のための生活費は月平均35.4万円ですが、現在の、もしくは老後に希望する生活水準はさまざまであるため、注意が必要といいます。

2.リタイア時期を決める

 60歳でリタイアする人の多くは年金をもらい始める65歳までの間、無収入になります。この期間にゆとりある暮らしをするには毎月35.4万円、5年間で計2124万円が必要になる計算です。最低限の生活とされる月22万円であっても、5年間で計1320万円が必要になります。

 中尾さんは「60歳から悠々自適の生活を送るには年金受給開始までに相当の資金が必要です。受給開始年齢引き上げなどの可能性も考慮すると、できるだけ長く現役として働き続けることも視野に入れたいですね」と話します。

年金受給額との“乖離”を調べる

3.年金受給額を試算する

 老後にどの程度の生活水準を希望するかやリタイア時期なども考慮に入れて、年金受給額との乖離を調べます。

4.不足が発生する場合は備えを始める

 毎月の生活費を抑制するなど、生活レベルを見直すことも必要になるといいます。

 中尾さんは「収入が多い共働き世帯ほど、老後の生活レベル抑制が必要になるため注意が必要です」とアドバイスしています。

※企画「夫婦と年金」は終了します

(オトナンサー編集部)

中尾剛(なかお・たけし)

ファイナンシャルプランナー(AFP)

1983年兵庫県生まれ。一橋大学経済学部卒業後、2006年大阪ガス入社。営業、企画マーケティング部門でガス機器の製造からプロモーション、販売施策立案、施工・メンテ連携など幅広い業務に携わる。2015年3月に外資系大手生保のコンサルタントに転じ、個人顧客のライフプランニングや相続対策、不動産売買など、さまざまな重要ライフイベントのサポートに従事。また、経営者向けに、事業承継や活動計画立案、従業員育成などの支援を行う。月に2回程度、税理士や行政書士、弁護士らと連携した「相続セミナー」を大阪や名古屋で開催。経営理念は「関わるすべての方が幸せになるお手伝いをする~一燈照隅~」。

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