オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

わが子を「スマホいじめ」から守るためのポイント5選

スマホを使った子どものいじめが昨今、大きな社会問題になっています。わが子をスマホいじめから守るための方法について現場経験豊富な専門家に聞きました。

子どもを「スマホいじめ」から守る方法とは…

 オトナンサー編集部はこれまでも、子どもとスマートフォン(スマホ)の関係について、作家でジャーナリストの石川結貴さんに話を聞いてきました。

 3回目の今回は子どもを持つお父さんとお母さんに向けて、わが子を「スマホいじめ」から守るためのポイント5つを紹介します。

まずは現状を知ることから始めよう

1.「スマホいじめ」の現状を知る

 「スマホいじめ」の形はさまざま。いじめ対象をLINEのグループから外す「LINE外し」や、いじめっ子のLINEグループへの誘導、根も葉もないうわさを流して個人情報を流出させる行為、スマホを渡して「(ゲーム上の)レアキャラを育てておけ」と命じる「パシリ的扱い」まで多岐にわたります。

 恥ずかしい写真や動画を撮るなどのケースもあります。親はまずスマホいじめの現状を知らなければなりません。

2.「わが子は大丈夫」という認識を捨てる

 スマホはいつでも誰かと“つながる”ことができるため、誰もが被害者/加害者になる可能性があります。スマホを通じたコミュニケーションは人間関係が閉鎖的になりがちなため、ちょっとした心のすれ違いがいじめの原因になります。

 たとえば「空気を読まない」「目立つ」「カッコつけている」「暗い」「コミュ力がない」などです。加害者側もいじめの意識がなく「だってあいつが空気を読まないから」と被害者のせいにする傾向があります。

3.子どもの様子や態度に注意する

 「いつもLINEを気にしている」「何時間もスマホを手放さない」「学校から帰ってきて自室にこもっている」「落ち込んだ様子がある」など、子どもの様子の変化に注意しましょう。

 その際に「友だちと仲良くしなさい」「みんなは頑張っているのに、なぜあなたはできないの」などと責めることは逆に子どもを追い詰めることになります。

4.「困ったときは必ず力になる」と伝える

 ささいなトラブルも、そのうわさや誹謗中傷はあっという間にネット上に広がります。子どもは独力で対応しがちですがそれは危険なこと。子どもにはいち早く相談できる環境を用意してあげましょう。

 子どもが親や先生に言いにくいことは多いはずです。普段なかなかコミュニケーションが取れていない、というケースを想定して「いじめ相談窓口」や警察、NPOなどの「信頼できる他人」を事前に教えておきましょう。

 子どもと一緒にネットを使って、相談窓口を調べておくことも大切です。

5.「いじめの証拠」を残す

 子どもがいじめに遭ったら必ず証拠を残しておきましょう。たとえば「死ね」「キモイ」などと書かれた子どものLINE画面を撮影したり、ネット掲示板のURLやその管理者名を控えておくことが有効です。

 また、いじめをしている子どもに「もし変なことをしたら証拠を持って警察に行くよ」と伝えておけば、それ以上の被害を食い止めることにつながります。

(オトナンサー編集部)

石川結貴(いしかわ・ゆうき)

ジャーナリスト

家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに豊富な取材実績を持つ。ネット、スマホの利便性の背後にある問題に追った著書「スマホ廃人」(文春新書)は、国公立大学入試問題に採用されている。2020年から共同通信社の配信により、全国の地方新聞で「スマホ世代の子どもたち~大人の知らない最新事情」を連載。テレビ出演や全国各地での講演会など幅広く活動する。その他の著書は「子どもとスマホ」(花伝社)「ルポ 居所不明児童」(筑摩書房)など多数。

コメント