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SNSで育児社員を“子持ち様”とやゆ 「働くな」と批判も なぜ? 人事のプロが指摘する“根本的な問題”

組織コミットメントを高めるには?

 そこで、会社側に求められるのは、社員が、同僚の子育てによって発生する役割外の仕事を自ら進んで行うとともに、そのことについて、不満に思わなくてもいられるよう、自然に組織コミットメントを持てるような環境を整備することではないかと思います。会社が、社員の組織コミットメントを高める方法には、さまざまなものがあります。

 例えば、社員に対し、その人の能力が生かせる仕事をそれぞれ割り当てることで、社員が「この組織では自分を生かすことができる」と思うようになれば、組織コミットメントは高まります。

 また、会社の理念やビジョンなどを常に発信し共有することで、「この組織で働くことには意味がある」と思えることや、仕事をする際の「資源」、すなわち、上司からのサポートや人間関係の良さ、公正な人事制度、効率的に仕事ができるツールなどを整備することで、「この組織は働きやすい」と思えることも、組織コミットメントを高める材料となるでしょう。

働く人の意識に任せず、会社として責任を持つべき

 せっかく縁あって共に働く仲間なのですから、子育ての苦労をサポートすることに不満を持つのでなく、気持ちよく支援をしてあげたいものです。

 しかし、それを社員個人の意識に任せてしまうのは、会社の無責任です。少子化に悩む日本において、未来を担う子どもは社会の宝なのですから、子育てを頑張っている同僚を「子持ち様」などとやゆするような職場を少しでも減らしたいものです。

 それを実現するためには、同僚の大変な状況を自然にサポートしたいという気持ちを持てるように、会社や上司が自身の責任として、社員の組織コミットメントを醸成することが重要なのではないでしょうか。

(人材研究所代表 曽和利光)

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曽和利光(そわ・としみつ)

人材研究所代表

1971年、愛知県豊田市出身。灘高校を経て1990年、京都大学教育学部に入学し、1995年に同学部教育心理学科を卒業。リクルートで人事採用部門を担当し、最終的にはゼネラルマネジャーとして活動した後、オープンハウス、ライフネット生命保険など多様な業界で人事を担当。「組織」「人事」と「心理学」をクロスさせた独特の手法を特徴としている。2011年、「人材研究所」を設立し、代表取締役社長に就任。企業の人事部(採用する側)への指南を行うと同時に、これまで2万人を超える就職希望者の面接を行った経験から、新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開している。著書に「定着と離職のマネジメント『自ら変わり続ける組織』を実現する人材流動性とは」(ソシム)など。

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コメント

1件のコメント

  1. 自分も子育てしながら仕事をし、現在再雇用で勤務しています。昔と比べ格段に子育ての制度はよくなりました。働き続ける上で、協力したいと思いますが、今回の記事のように、周囲が対応することの評価が少ないと思います。仕事上夕方外部からの問合せが多い職場ですが、その時間に育児時間を取っている人はいないため、残った人が対応せざる得ないですし、急な休みの対応もあります。ただ、気持ちの上で思うのは、子どもがいない頃一生懸命働いていた人には優しくなれます。やはり、人なので、当然の権利とばかりに休む人より、申し訳ないという気持ちが伝わる人の方が優しく慣れます。昔は‥なんて禁句なこの頃、なんの施策もなく働き続けた者としては、イライラしますが、それは、同年代の人と愚痴り合っています。