「死ぬってどういうこと?」 わが子に聞かれたらどう答えるべきか…子育てアドバイザーが示す“望ましい伝え方”
「生」を伝える場、機会として捉える
家族やペットが亡くなったことをきっかけに、「生と死」に関する会話をする親子は多いように思います。そうした中でよく聞かれるのが、「明確なきっかけがなくても、親から子へ、死について教えた方がよいのか」という悩みです。
結論から言うと、親の方からわざわざ、「死」を話題にする必要性はないと思われます。しかし今の時代、「命の大切さ」というテーマはとても大事です。「生きているということは素晴らしいことなんだよ」という切り口での会話は、子どもたちの情操教育につながると思うので、「死」から入るのではなく、「生きる」ということをテーマに話していくのがよいでしょう。
先述の研究結果を踏まえると、時期については小学校低学年あたりが適切かと思います。ただ実際は、命の大切さを知ってほしいのは、むしろそれ以降の年齢なので、小学校高学年、中学、高校でこそ大事なトピックになってくると考えています。
一方で、やはり「死」という現実は、実際に子どもたちが理解するには重い内容です。そのため、心に負担がかかります。ペットの死などを機に、死に関して神経質になっていたり、怖がっていたりする場合は、「また、こんなことが起こったらどうしよう」と不安になっていることが多いです。
そのようなときは、「みんな元気にしているから大丈夫だよ」といったように、そうめったに起こることではないことを伝え、気持ちの高ぶりを緩和してあげて、いつも以上にスキンシップや会話を心掛けるのが望ましいでしょう。
生と死について、子どもに教えることの難しさを感じている親は少なくないと思います。特に今の時代、ゲームのバーチャルな世界に慣れ親しんでいる子どもたちも多いものです。そうした世界の中では、「高いところから落下しても無傷」「倒れてもまた復活する」など、まるで命が2つも3つもあるような錯覚を感じさせることがあります。
子どもたちの自死も問題になっている昨今だからこそ、命の大切さは伝えていきたいものです。大切なペットが身をもって教えてくれたメッセージを、子どもたちの生きる力に変えられたら、まさに“心の中に生き続ける存在”になってくれます。
「死」は誰にとっても重いテーマで、進んで話したいものではありませんが、その対極にある「生」を伝える場や機会として捉えると、向き合いやすくなるのではないでしょうか。
(オトナンサー編集部)
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