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【賛否両論】「子どもの写真をSNSに投稿」アリ? ナシ? 子育てアドバイザーに聞く見解

「子どもの写真をSNSに投稿する」ことについて、あなたはどう思いますか。ネットでたびたび議論になる“是非”について、子育ての専門家に見解を聞きました。

常に賛否両論あるけれど…
常に賛否両論あるけれど…

 5月5日は「こどもの日」。ネット上では「子どもの写真をSNSに投稿する」ことの是非が、たびたび議論になります。子育て中の親の中でも、「3歳になるまではOKと決めていた」「特に気にしてない」「出産報告では顔が分かる写真を使ってた」「顔にスタンプを押してます」「後ろ姿さえも絶対アップしたくない」など、かなり意見が分かれているようです。

 子どもの顔など、個人が特定できる写真を投稿するリスクが話題になることもありますが、実際のところ、子育ての専門家は「子どもの写真をSNSに投稿する」是非についてどう考えているのでしょうか。子育てアドバイザー・佐藤めぐみさんの見解です。

何のためにわが子の写真をアップするのか

 子どもの写真をSNSで公開することに対しては賛否両論あり、メリットを感じる人もいれば、デメリットが気になる人もいて、意見が二分している印象があります。

 ここではニュートラルにその2つの側面を見ていくと、まず、親のメリットとして考えられるのは孤独感が緩和されやすい点でしょう。コメントやリアクションをもらったり、同じような境遇の人であれば、そこからコミュニケーションが始まったりと、わが子の成長を振り返る場としても機能しているようです。

 デメリットとしては、「やっているのに反応が得られない」「周りと比較してしまう」「否定的なコメントを受ける」といった、それ自体が悩みの場になってしまうことや、没頭し過ぎてしまいバランスを崩すことなども考えられるでしょう。

 SNSでの発信は親主導のものなので、子ども側のメリット・デメリットはなかなか捉え難いですが、「小さいうちは『かわいい』と言われることが増えるかもしれないが、一方で大きくなると過去投稿が『恥ずかしい』と映る」可能性はあります。

「子どもの写真をSNSに投稿する」ことが「アリ」なのか、それとも「ナシ」なのか。これについてはどちらが正解というのはないですし、SNSは向き不向きもあると思うので、自分だったらという視点でお答えすると「ナシ」になるでしょうか。「何のためにわが子の写真をアップするのか」という理由が、自分の中で曖昧なためです。

 写真よりも文章が主役であるブログだったら、「アリ」と答えると思います。子育てについて文章でつづるのであれば、自分にとっての思い出にもなりますし、SNSで問題視されている個人情報についてもそこまで気にならないからです。

 この「アリ・ナシ」は、個人を特定されることへの懸念から来ているのだと思います。そのため、それを回避する策として、「子どもの顔を写さない」「スタンプを押してカバーする」というのはいいアイデアだと思います。ですが私の場合、「そこまでするのならアップしなくてもいいか」と思ってしまうのです。子どもの写真を投稿するとなると、細やかな配慮が求められますし、それなりの時間も取られます。そこをクリアできる人にとっては「アリ」、それが面倒だと思う私のようなタイプは「ナシ」ということになるでしょうか。

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佐藤めぐみ(さとう・めぐみ)

公認心理師(児童心理専門)

ポジティブ育児研究所代表。育児相談室「ポジカフェ」主宰。英レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの心理学講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える 輝くママの習慣」(あさ出版)など。All About「子育て」ガイド(https://allabout.co.jp/gm/gp/1109/)を務めている。公式サイト(https://megumi-sato.com/)。

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