「褒め過ぎる親」と「全く褒めない親」…教育上“よくない”のはどっち? 子育てアドバイザーに見解を聞いた結果
「褒め過ぎる親」と「全く褒めない親」…正反対の教育方針ですが、“教育上よくない”といえるのはどちらなのでしょうか。子育てアドバイザーの見解です。

あなたは「褒め過ぎる親」と「全く褒めない親」、どちらの方針の親が“教育上よくない”と思いますか。昨今、子どもの自己肯定感を育むことの重要性から「褒める」子育てを推奨する声が高まっていますが、中には「褒め過ぎるのもどうなの?」「褒められ過ぎて育つのもよくなさそう」といった声も聞かれます。一方で「全く褒めない」ことに対しても「悪影響が多そう」「褒め過ぎるよりはいい気がする」など賛否が分かれているようです。
「褒め過ぎる親」と「全く褒めない親」、どちらの親の方が“教育上よくない”のでしょうか。子育てアドバイザーの佐藤めぐみさんに見解を聞きました。
「褒め過ぎ」には2つある
Q.まず、「褒め過ぎる親」についてどう思われますか。
佐藤さん「褒め過ぎの“過ぎ”が何を指すのかによると思います。大きく分けると、回数をたくさん褒める“褒め過ぎ”と、言葉で持ち上げ過ぎる“褒め過ぎ”の2つがありますが、前者は子どもの様子をよく観察していることの現れですし、おそらくは小さな成長に気付いているからこそ褒めが増えていると思うので、むしろ望ましい形といえます。
一方、後者は時に注意も必要です。自信をつけさせたいからと大きく褒めたくなるのですが、あまりに大げさだったり、できていること以上に褒め過ぎたりしてしまうと、過信させてしまうこともあると思います。特に、『地頭がいい』『もともと天才だ』というように、持って生まれたその子の能力を褒め過ぎてしまうと、『ならばやらなくても自分はできる』というような思いになっても不思議はありません。
自分の能力を適切に信じることはとても大事ですが、過信してしまうとまた諸々悩むことになりかねないので、『地道に努力してもらいたい』と思っている親であればなおさら、この部分の持ち上げは過剰にならないよう気を付けた方がいいかと思います」
Q.次に、「全く褒めない親」についてどう思われますか。
佐藤さん「人間には承認欲求というものがあり、他者から認めてもらいたいと思うのはごく自然な欲求です。全く褒めないというのは、そこを満たせないことになるので、どこかで影響が出てきかねません。子ども時代であれば、親の注意を引きたい気持ちが過剰に出たり、自信が持てなかったり……などです。
そして、私の相談室でとてもよく聞くのが、大人になってからの問題です。自ら、『自己肯定感が低い』と悩む人の多くが、『幼少期に親に褒めてもらえなかった』とおっしゃいます」
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