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子どもの「パパ・ママ」呼び、大きくなったら「お父さん・お母さん」に変えさせるべき? 子育てアドバイザーが示す見解

「パパ・ママ」「ちゃん・くん」。そんな親子間の呼び方を、子どもの成長に合わせて変えた方がいいのかと悩む親もいるようです。そんな悩みに、子育てアドバイザーが答えます。

親子間の「呼び方」に悩む親、意外と多い?
親子間の「呼び方」に悩む親、意外と多い?

 あなたは子どもを呼ぶとき、どんな呼び方をしていますか。また、子どもからはどんなふうに呼ばれているでしょうか。家庭によって呼び方はさまざまだと思いますが、子どもが親を「パパ・ママ」と呼んでいるケースでは、子の成長に合わせて「お父さん」「お母さん」と変えさせるべきか、それともそのままでよいのか、悩む親も少なからずいるようです。同様に、親が子どもを呼ぶときも、幼い頃のままの「◯◯ちゃん」「◯◯くん」という呼び方のままでよいものか……と迷う声も聞かれます。

 親子間の「呼び方」は、子どもが大きくなったら変えた方がよいのでしょうか。子育てアドバイザーの佐藤めぐみさんが見解を示します。

「どう呼ぶか」よりも「互いの関係性」が大事

 親子間での呼び方は、単なる呼称ではありません。愛情表現の一つであり、その呼び方自体にも愛着を感じているものであり、そして呼びかける瞬間も呼ばれる瞬間も、親と子のつながりを意識させるものだと思います。

 そんな呼び方について、幼少期から、子どもが親のことを「パパ」「ママ」と呼んでいるケースは少なくないと思います。その場合、大きくなってからもその呼び方を継続してよいのか、悩む親もいるのではないでしょうか。

 結論から言うと、呼び方に関しては「パパ」「ママ」を継続することに何の問題もありません。

 男の子の場合、小学校高学年くらいから「ママと呼ぶのが恥ずかしい」と思う子も出てきて、自ら変えるケースもあります。「パパ」「ママ」から「お父さん」「お母さん」へ、さらに年齢が進むと「おやじ」「おふくろ」へと呼び方を変える子もいるでしょう。

 友達の影響力が強くなってくると、子どもの方から変えることは多いもの。そのため、親が「こうすべき」と決める必要はないと考えます。

 一方、子どもの幼少期から親が「◯◯ちゃん」「◯◯くん」と呼んでいるケースも多いと思います。この場合も、「子どもが成長してからも、この呼び方のままでいいのかな」と迷うことがあるのではないでしょうか。

 これに関しても、「◯◯ちゃん」「◯◯くん」と呼び続けること自体は問題ありません。ただ、このような疑問が挙がる背景には、「『◯◯ちゃん』『◯◯くん』は幼い子への呼び方ではないか」という考えがあると推測します。

 呼び方自体は何ら問題ありません。しかし、もし仮に、親が子離れできぬままの結果が「◯◯ちゃん」「◯◯くん」だとしたら、それは問題になり得ます。

 大事なのは「どう呼ぶか」よりも、その背後にある「互いの関係性」です。わが子の自立を妨げてしまうような親の過干渉の結果が「◯◯ちゃん」「◯◯くん」の継続だとしたら、その場合は親子間の距離から見直す必要も出てきます。

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佐藤めぐみ(さとう・めぐみ)

公認心理師(児童心理専門)

ポジティブ育児研究所代表。育児相談室「ポジカフェ」主宰。英レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの心理学講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える 輝くママの習慣」(あさ出版)など。All About「子育て」ガイド(https://allabout.co.jp/gm/gp/1109/)を務めている。公式サイト(https://megumi-sato.com/)。

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