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年間1800人超が犯罪被害に…子どもと大人が知っておくべき「自撮り」のリスク

何気ない自撮りから個人情報が漏れることも

 性的な自撮りが危険なことは言うまでもありませんが、日常生活の中で撮影した自撮りにもリスクは潜んでいます。

 スマホのカメラアプリを位置情報サービスと連動させていると、撮影した写真にさまざまなデータが自動的に記録されます。撮影場所、時間、撮影時のカメラ設定などで「イグジフ(Exif)情報」と呼ばれます。簡単に言うと、「いつ、どこで撮影した写真かわかる情報」が写真に付帯しているわけです。

 本来はとても便利な機能で、撮影日や撮影場所によって写真を整理し、簡単にアルバム作成などができたりするのですが、半面、さまざまな個人情報が含まれています。仮に自宅で写真を自撮りしたら、その写真には自宅の住所という個人データが付帯しているのです。

 このようにイグジフ情報にはリスクを伴う面もあるため、ツイッターやフェイスブック、インスタグラム、LINEなど主要なSNSは、写真投稿時にイグジフ情報が消去される仕組みになっています。

「消去されるなら安心」と思いがちですが、ほかにも個人情報が漏れてしまう危険性はあります。例えば、写真の背景に店舗の看板や地名が分かる道路標識などがあると、撮影場所が特定されることもあるでしょう。

 中高生の場合、着ている制服や持っているカバンから、学校が特定されることもよくあります。定期入れや部活動のジャージに縫い込まれた名札が映り込んでしまうと、個人の名前まで特定されるリスクがあるのです。

 ある高校生カップルが路上で撮ったツーショット自撮りをSNSに投稿したところ、背景に映り込んだビルの名前と着ている制服から学校名が特定され、最終的には個人名までさらされてしまいました。

「性行為の自撮り動画もあるらしい」「制服姿でラブホテルに通っている」などと根も葉もないうわさが広がり、それを見た人たちがさらに面白がって誹謗中傷していくという収拾のつかない事態になってしまったのです。

 こんな風に、軽い気持ちで投稿した自撮りが、思わぬ危険を招くことを忘れてはいけません。

自撮りのリスクを子どもに伝えるために

 私は、中高校生向けにスマホ関連の講演をすることが多いのですが、その時には必ず「リアル(現実生活)に置き換えて考えて」と話しています。

 例えば、街を歩きながら、通りすがりの他人に自分の顔写真を「見て」と言えるでしょうか。

「言えない」「見せられない」のなら、それはネット上でも同じこと。どこの誰とも知らない他人の目に触れないように、投稿しないことが原則です。

 SNSで仲良くなった人に「会いたい」「自撮りを送って」などと言われたら、自宅に知らない人が訪ねてきた時の対応を思い浮かべましょう。良い人に見えたとしても、初対面でいきなり自分の部屋に招き入れることができるでしょうか。

「それはイヤだ」と思うなら、SNSでも同じように考え、行動することが大事です。

 こんな風に、具体的な生活場面に置き換えた指導や教育をすると、子どもにも伝わりやすくなります。先に述べたように、「なりすまし」の存在やイグジフ情報の危険性なども事前にしっかり伝えておきましょう。

(文/構成・ライフスタイルチーム)

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石川結貴(いしかわ・ゆうき)

作家・ジャーナリスト

家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに豊富な取材実績を持つ。短編小説集「小さな花が咲いた日」は7年連続で中学・高校入試問題に採用されている。最新刊「ルポ 居所不明児童~消えた子どもたち」では、児童虐待や貧困問題を抱えたまま放置される子どもの現状を報告した。出版以外にも新聞、雑誌への寄稿、「あさイチ」「報道ステーション」など数多くのテレビ番組に出演。2013年には「第61回日本PTA全国研究大会」の講演者に選出された。2015年、全国各地方紙(時事通信社配信)で教育特集記事「子どもとスマホ」を連載。

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