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ママ友とおしゃべりはダメ! 子どもの「授業参観」で親が絶対にやってはいけないこと

「授業参観」は、授業中の我が子を見学できる貴重な機会。ところが、子どもに手を振ったり、久しぶりに会ったママ友とおしゃべりしたりする「困った保護者」もいるようです。授業参観で気を付けたいマナーについて聞きました。

授業参観で親が気を付けるべきこととは?
授業参観で親が気を付けるべきこととは?

「授業参観」は、子どもが日ごろ、クラスでどのように過ごしているのかを知ることができる貴重な機会です。しかし近年、教室で身勝手な振る舞いをしたり、基本的なマナーを守らなかったりするなど、当日の親の行動がしばしば話題となります。SNS上では「授業中なのに親のおしゃべりがうるさい」「子どもを見ずにスマホを触っている親がいる」「露出度の高い服を着たママに驚いた」など、さまざまな声が上がっています。

 授業参観における親のNG行動とはどのようなものでしょうか。著書に「1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ」(日本実業出版社)などがある、子育て本著者・講演家の立石美津子さんに聞きました。

授業中のスマホいじりに注意

Q.授業参観のNG行動について教えてください。

立石さん「授業参観当日は、授業を受ける我が子をひと目見ようと多くの保護者が集まります。周囲のことを考えない親の振る舞いは、クラス全体に迷惑をかけてしまいます。最近は、スマートフォンの普及や共働き家庭の増加など、時代を反映するトラブルも増えているようです」

【ずっとスマホを触っている】

教室に着信音が鳴り響かないように、参観中は携帯電話の電源をオフにするか、マナーモードに設定するのが基本です。しかし、中には、途中で電話に出て話し始めたり、授業風景に目もくれずスマホに夢中になったりしている親もいます。何のために授業参観に来たのか、今一度考える必要があるのではないでしょうか。

【禁止されているのに写真やビデオを撮影する】

運動会などでは許可されていることが多いですが、授業参観の撮影可否は園や学校によって異なります。個人情報の観点から、撮影を禁止しているケースもあるため、必ず事前に確認しておきましょう。撮影可能な場合でも、たび重なるシャッター音やフラッシュなどは授業を妨害しかねないため、撮影時は注意が必要です。子どもの顔を撮影しようと教室の前方の入り口からカメラを向けるのもNGです。

【授業参観だけ参加する】

最近は、仕事をしている親が多いことから、授業参観と同じ日に保護者会や懇談会などを設けている学校が増えています。しかし、中には参観を終えるとすぐに帰ってしまう人もいるようです。懇談会は園や学校の方針を聞く大事な機会と考え、少しでも顔を出すようにしましょう。

 立石さんによると、他にも次のようなマナー違反があるそうです。

【授業の途中で大きな音を立てて入室する】

要項に「~時までに入室を」と記載されていても、開始時刻に間に合わないケースもあると思います。開始後、子どもたちが静かに先生の話を聞いている最中に、ガラッと大きな音を立ててドアを開ける人もいますが、そのたびに子どもたちが後ろを振り向き、授業に集中できなくなります。遅れて入室する場合、後方のドアをそっと開けて入るようにしましょう。前方のドアから入るのは論外です。

【教室の後ろで井戸端会議】

授業参観は親同士が久しぶりに顔を合わせる機会なので、ついおしゃべりをしたくなるもの。しかし、参観中の私語は厳禁です。幼稚園で先生をしていた頃、子どもたちが先生の話を静かに聞いている後ろで、ママ友同士が話し続ける場面に何度も遭遇しました。あまりにもひどい時は、角が立たないように「授業中はお口を閉じましょう。大きなお友達(母親達)も同じです」と注意したことがあります。親同士の会話は参観後に別の場所でしてください。「授業中や保育中は私語をしない」という良い手本を子どもに見せましょう。

【子どもに手を振る】

授業参観は親だけでなく、子どもたちもうれしくてソワソワするものです。「ママ来ているかな?」と教室の後ろを気にして何度も振り向く子もいます。こんな時、我が子を見つけて手を振る人もいますが、他の子どもも気になり、授業に集中できなくなります。我が子と目が合ったら笑顔だけで返し、静かに見守ってあげるのがベストです。

【下の子どもから目を離す】

兄弟の授業参観に、下の子を連れて来る人も多くいます。その際、下の子が教室の中を歩き回ったり、兄弟の元に行って一緒に遊ぼうとしたり、突然泣き出したりすることもあるかもしれません。上の子の様子を見ていたい気持ちもわかりますが、下の子からも目を離さないように注意し、騒いだり泣き出したりした場合は、いったん教室から出る気遣いも忘れないようにしましょう。

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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