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婚活で「結婚不適格者」の女に出会い、人生を狂わされた男たち(下)

4000万円の住宅ローンを背負って離婚

 4つ目は「モラルハラスメント」ですが、目黒勝彦(36歳会社員)は、妻(33歳)との短すぎる結婚生活(2年間)を振り返ってくれました。

「僕の帰りが早いと『何で早く帰ってくるの?』と言われ、逆に僕の帰りが遅くなれば、『こんな時間まで何やってるの?』と言われ、完全に支離滅裂なんです」

 しかも、勝彦さんが少しでも言い返そうものなら、何時間も説教を食らうだけでなく、「死ね! ボケ! もう最低だわ!!」などと暴言をはいてくるので、勝彦さんは途中から何も言い出せなくなり、ただただ我慢するしかなかったそうです。彼女は勝彦さんに一体何の恨みがあるのでしょうか。

「もしかすると、住んでいる場所が悪いのではないか」

 2人はどんなところに住んでいたのでしょうか。彼女が妊娠後、勝彦さんのアパートに転がり込む形で同棲が始まったようです。とはいえ、勝彦さんの家は築25年のおんぼろで、1DKの間取りは1人暮らし用。もちろん、彼女の部屋はなくお世辞にも「快適な暮らし」とは言えませんでした。勝彦さんは、彼女が遠まわしに不満を言っているのではないか。そう考えたのです。

「とにかく元の彼女に戻ってくれればと思って…」

 勝彦さんは彼女のために、分譲マンションの購入に踏み切ったそうです。さすがに35年・4000万円の住宅ローンを目の前に少し気後れしたそうですが、最終的に契約したのです。なぜでしょうか。

「これから結婚して家族が増え、そして何より子どもを育てていくのだから」

 勝彦さんは、当時の気持ちを振り返ってくれましたが、勝彦さんの健気な心配りは彼女に通じたのでしょうか。勝彦さんの気持ちとは裏腹に、彼女のヒステリー癖に改善の兆候は見られなかったのです。残念ながら、新しいマンションに引っ越しても「元の彼女」に戻ることはありませんでした。

「こっちに越したせいで、彼女に余計な負担をかけてしまったのでしょうか。彼女は手足にじん麻疹を発症して、精神状態はますます悪くなり、行動パターンも不安定になって、今まで以上にキツい言葉を浴びせられ…僕は何がなんだか分かりませんでした」

 そして、彼女が実家へ戻ったのは妊娠6カ月目のこと。「一時的にホルモンバランスが崩れ、精神的に不安定になっているだけ。慣れ親しんだ実家で生みの親と一緒に過ごせば、きっとストレスから解放され、心は落ち着き、平静を取り戻すだろう」と最初のうちは楽観的に考えていたようです。

 しかし、電話は着信拒否、メールは受信拒否、LINEはブロックされ、実家の固定電話にかけても受話器を取るのは母親ばかりで妻に取り次いでくれず…実家を訪ねても、義父に「これ以上、付きまとうと警察を呼ぶぞ」と一喝され、勝彦さんは途方に暮れたのですが、これ以上、妻の帰りを待ち続けても仕方ないことを悟ったのです。結局、勝彦さんは、毎月6万円の養育費と4000万円の住宅ローンを背負って離婚したのだから悲惨すぎます。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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