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婚活で「結婚不適格者」の女に出会い、人生を狂わされた男たち(下)

婚活で「結婚不適格者」に出会ってしまったがゆえに、人生を狂わされた男性たち――。こうした結婚不適格者の女性が引き起こすトラブルは、「お金」「浮気」「暴力」「モラルハラスメント」の4つに分類されるようです。

結婚不適格者に人生を狂わされた男性たち(写真はイメージ)
結婚不適格者に人生を狂わされた男性たち(写真はイメージ)

 婚活で「結婚不適格者」に出会ってしまったがゆえに、その後の人生を狂わされた男性たちのストーリー。今回はその後編です。

彼女への暴行容疑で現行犯逮捕…

 3つ目の「暴力」ですが、石橋純一さん(37歳会社員)は手を小刻みに震わせながら、当時のことを振り返ってくれました。

「彼女と知り合ったきっかけは、ウチの祖母が通っているデイサービスです。彼女はそこで作業療法士として働いており、実家にも出入りしていました」

 純一さんは頑張って働く献身的な彼女の姿に引かれ、「今度食事でも」と誘ったことで交際が始まったのですが、次第に、彼女の異常な性格に悩まされることとなりました。

「彼女には子どもっぽいところがあるのです。ラブラブな時は何も思わなかったんですが、今となれば『甘えん坊』の域を超えていたような気がします」

 純一さんは当時の悪夢を回顧しますが、例えば、食事中に純一さんがトイレに行くと、彼女は純一さんの財布を勝手に開けて硬貨を抜いたり、ポイントカードを隠したり、iPodの音楽データを無断で消したりすることも日常茶飯事。また、彼女は純一さんが先に寝入ると怒り出すそうで、純一さんの寝息が聞こえるとドライヤーを1時間もかけ続けたり、テレビの音量を上げたりして安眠を妨害するのです。

「俺だって疲れているんですよ。翌日の朝早いのに、たまったものではありません!」

 さすがの純一さんも我慢の限界を超えたようで「少し距離を置きたい。連絡してこないでほしい」と一報を入れた上で、彼女との連絡を完全に断とうとしたのですが、ただでは済ませてくれなかったようです。

 純一さんは、彼女が運転する社用車に出くわす機会が続いたようで「ちゃんと言わないとダメだな」という感じで窓ガラスをコンコンと中指でたたいたのですが、彼女はすごい剣幕で罵声を浴びせてきたのです。「アンタ、この責任どうしてくれるのよ。『一緒になれたらいいね』なんて口ばっかり。アタシをだましといて、どういうこと」。

 そして、彼女は純一さんの胸にもたれかかって体を預けてきたので、純一さんは「ふざけるな」と彼女を振り払ったのです。両肩を軽い力で押した程度でしたが、彼女は自動車のボンネットに体をぶつけて「痛い!」と倒れ込んでしまいました。

 その時、空気が一変しました。体格の良い男性2人がいきなりビルの陰から姿を現し、純一さんの両腕をつかんでそのまま締め上げたのです。それは私服の警察官でした。純一さんが呆然としたまま、声を出せずにいると、そのまま警察官にパトカーの中まで連れていかれたのです。自分の身に何が起きたのか、理解不能でしたが、現実の世界で起こっているのは暴行罪による「現行犯逮捕」でした。

 純一さんは、警察署でおよそ信じられない話を聞かされたそうです。彼から暴力を振るわれ、脅かされ、困っている。そして「別れたい」と何度も言っているのに、彼が執拗に付きまとい、ストーカーまがいの行為をしている……。彼女は以前から警察のストーカー対策室に相談していたそう。「それは誤解だ。というかむしろ逆で、俺が被害者、彼女が加害者なんだ。信じてくれ!」と、純一さんが誤解を解こうとしてもムダでした。

 翌日、純一さんが出社すると、待ち構えていたのは人事部長。彼女が人事部へ提出した診断書「右腕の裂傷、背中全体の打撲で全治2週間を要す」を突きつけられたのですが、純一さんは今回の件で完全に出世コースから外れ、東京の本部から仙台支店へ転勤を命じられてしまいました。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
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