オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

サイトの「あなたにおすすめ」には要注意? 依存するとどうなる? 専門家がリスクを解説

「世界中が自分と同意見」と錯覚

 このような現象を、米国のインターネット活動家のイーライ・パリサー氏は「フィルターバブル」と呼びました。私たちの周りには情報の個別最適化が作り出した見えない泡があって、その中には自分に心地よい情報ばかりが集まってきます。しかし、自分が泡の中にいることは意識しづらく、あたかも泡の中が「世界の姿」だと考えてしまうのです。
 
 例えば、「米国のジョー・バイデン大統領と、前大統領のドナルド・トランプ氏のどちらを支持するか」「新型コロナワクチンは打つべきか打たざるべきか」など、実際の世界では複数の対立する考え方がせめぎ合っています。

 トランプさんを支持する人のフィルターバブルの中には、トランプさんの支持者が集まるし、トランプさんの良い情報やバイデンさんの悪い情報が集まり、あたかも世界中が自分と同じ意見であるかのように見えてしまいます。

 フィルターバブルの中は大変心地よいのですが、自分とは異なる意見を知るチャンスや、今まで知らなかったタイプのコンテンツに出会うチャンスが失われます。もちろん、この心地よさの中に漬かっているというのも悪くはない選択肢なのかもしれませんが、少なくともフィルターバブルがある、ということは意識しておかないといけないのかもしれません。

 そして、フィルターバブルの外に出ようと思うなら、個別最適化がされていないテレビや新聞といった従来のメディアに触れてみたり、インターネット上の各種サービスから一度ログアウトしてみたりするなど、お勧め以外の情報を自分から積極的に取りに行く必要があるのです。

(近畿大学生物理工学部准教授 島崎敢)

1 2 3

島崎敢(しまざき・かん)

近畿大学生物理工学部准教授

1976年、東京都練馬区生まれ。静岡県立大学卒業後、大型トラックのドライバーなどで学費をため、早稲田大学大学院に進学し学位を取得。同大助手、助教、国立研究開発法人防災科学技術研究所特別研究員、名古屋大学未来社会創造機構特任准教授を経て、2022年4月から、近畿大学生物理工学部人間環境デザイン学科で准教授を務める。日本交通心理学会が認定する主幹総合交通心理士の他、全ての一種免許と大型二種免許、クレーンや重機など多くの資格を持つ。心理学による事故防止や災害リスク軽減を目指す研究者で、3人の娘の父親。趣味は料理と娘のヘアアレンジ。著書に「心配学〜本当の確率となぜずれる〜」(光文社)などがあり、「アベマプライム」「首都圏情報ネタドリ!」「TVタックル」などメディア出演も多数。博士(人間科学)。

島崎敢(しまざき・かん) 関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ライフ 最新記事

ライフの記事もっと見る

コメント

CAPTCHA