サイトの「あなたにおすすめ」には要注意? 依存するとどうなる? 専門家がリスクを解説
「世界中が自分と同意見」と錯覚
このような現象を、米国のインターネット活動家のイーライ・パリサー氏は「フィルターバブル」と呼びました。私たちの周りには情報の個別最適化が作り出した見えない泡があって、その中には自分に心地よい情報ばかりが集まってきます。しかし、自分が泡の中にいることは意識しづらく、あたかも泡の中が「世界の姿」だと考えてしまうのです。
例えば、「米国のジョー・バイデン大統領と、前大統領のドナルド・トランプ氏のどちらを支持するか」「新型コロナワクチンは打つべきか打たざるべきか」など、実際の世界では複数の対立する考え方がせめぎ合っています。
トランプさんを支持する人のフィルターバブルの中には、トランプさんの支持者が集まるし、トランプさんの良い情報やバイデンさんの悪い情報が集まり、あたかも世界中が自分と同じ意見であるかのように見えてしまいます。
フィルターバブルの中は大変心地よいのですが、自分とは異なる意見を知るチャンスや、今まで知らなかったタイプのコンテンツに出会うチャンスが失われます。もちろん、この心地よさの中に漬かっているというのも悪くはない選択肢なのかもしれませんが、少なくともフィルターバブルがある、ということは意識しておかないといけないのかもしれません。
そして、フィルターバブルの外に出ようと思うなら、個別最適化がされていないテレビや新聞といった従来のメディアに触れてみたり、インターネット上の各種サービスから一度ログアウトしてみたりするなど、お勧め以外の情報を自分から積極的に取りに行く必要があるのです。
(近畿大学生物理工学部准教授 島崎敢)

コメント